RECORD

Eno.340 月待 よすがの記録

無題

……鏡を見るのが嫌いだ。
急に映ると割と驚く。

髪を染めてからは多少マシになった。
美容院では『目立つ色にしてください』なんて頼んで、明るくて見つけやすい・・・・・・色。
髪型も極力変えず、あとはチョーカー。これでどうにか自分を認識している。

洗面所の鏡は外してしまったから、支度をする時は卓上用のもの。


「…………」



……だから、自分の顔を見た・・のは本当に久しぶりだった。
こんなに明るい色、似合っているのかと当時は不安になったものだけど、存外馴染んでいる気がした。

笑ってない時ってちょっと不機嫌に見えるかも。……皆気にしてないといいんだけど。
思っていたより自分の目つきがよくない。……じゃああの人の目つきが悪いってどんくらいなんだ?
唇はもう少し厚い方が可愛かったな。……好みの問題かも。

こうして見た自分はきっとまた忘れてしまうんだけど、ちょっといい気分だ。

見たことのないもの。
知らないこと。
面白そうなはなし。
ぜんぶ、今日をひとつ楽しくしてくれること。
明日の自分をもう一日生かしてくれるような、そんな糧。
……きっと毎日楽しいまま生きていたい。


「――うん、そろそろ寝よっか。
 ……おやすみ」