RECORD

Eno.100 紫村 九十九の記録

『ダチュラ』さん

「君それね、憑かれてるよ・・・・・・
「……………………………………………………は?」














某時刻、カレントコーポレーション研究室にて。

「憑かれてる?一体何になンスか?」
「いやだから『怪奇』にね」

そこにいるよ、と言わんばかりに目配せをされた。いやそこにいるのは分かってるンスよ、普通に視えてるッスから。

「いや随分と珍しくパターンだねこれは。…『怪奇の力を借りる神秘』ときたか。彼女、随分と温厚な『怪奇』さんなのかい?こちらにはぜ〜んぜん姿、見せてくれないけど」
『  !?      …      …』

『彼女』が何かしら喋っている。なに言ってンだか全然分からねェけど。

「君からは姿は見えているんだよね?こちらからはそこに『いる』のはわかるのだけれども」
「まァ…一応…』

『彼女』が部屋の角でいじけている。何かショックだったのだろうか。

「報告書にはまとめなくちゃいけないから、特徴とか仕草とか教えてもらってもいいかな」
報告書とかマジめんどくさいよね〜という声は聞かなかったことにしておこう。

『       !         !!』
何か主張している。先程のショックは吹き飛んだんだろうか。

「なンか全体的に白いッスね…あとわりと自己主張が激しい…」

うんうんという声と共にペンが走る。

「あぁそうだ、紫村君!君の体を使……貸してあげるのはどうだい?『彼女』、所謂『幽霊』ってやつなんだろ?」

物は試しようだよ紫村君!という高らかな宣言に共にほぼ強制的に従わざるを得なかった。






















『………どうも?』
気まずい。非常に気まずい。
さっきまで目の前で自己紹介してましたとか言えない。
恥ずかしすぎて井戸の中に突っ込みたい。

目の前の研究者?はずっと笑顔である。ばあちゃん助けてェ…。


『…あの…』
『彼』九十九クンの体を貸してもらっている以上、さっさとこの尋問?を終えてしまいたい。


「なるほどねぇ実体を持たない怪奇と戦闘手段を持たないごく普通の少年による二人三脚という訳だね、これはいいねこれは!上からは一般人を巻き込むなとか言われそうだけど彼に憑いてしまっているのが怪奇である以上お祓いとかはなんの効果ももたない訳だし?神秘について色々対処法を知ってもらえた方が何かと都合が良くないかい?それに個人的にかなり気になるからねこの怪奇さんの事は!何故彼に憑いたのかとか何故実体がないのとかねぇ!」
「うん、君の事はよ〜く分かった。どうにかして私が君達の件は上に通してあげよう」





「しかしいつまでも『彼女』だの『君』だと呼びづらいね、何か名前をつけてもらったらいいんじゃないかい?『彼』九十九君にさ」

『…………』
この名前・・・・についてはまだ伏せておいた方が何かと都合がいいかもしれない。
急に訳の分からない情報が山程降り注いできたら頭混乱しちゃうからね。


『色々聞いてみるよ …ありがとう、研究者サン』



















後日。近場にあった付箋に伝言が書かれていた。

【ワタシのなまえ いいかんじのものがあったらいいな…】

と。