RECORD

Eno.691 名栗 攻介の記録

中学時代7

コーチは右腕及び左大腿骨の骨折で全治半年、辞めた部員に口止めをしていたが今回のことを契機に告発が相次いで懲戒免職になった。

俺の方は重度の打撲により全治一カ月、コーチへの暴行等で3週間の停学になった。
コーチの過失が大きいがコーチの怪我の具合を鑑みればお咎めなしでは体裁が保てないだろうとして、母から持ち掛けて丸く収めたらしい。
3週間は療養しないといけない状態だったから要するに方便である。

「ひとまず勝ったみたいだから良し」

母はそれだけしか言わなかった。我ながらとんでもない親だと思う。
父の方は

「これ、から、どうしたいのか、答えが、で、たら、道場、に、おいで」

変なところに間を置く喋り方は相変わらずだが、ともかく怒られることはなかった。
そもそも父が怒ってるところを見たことはないが。

ともかく、俺が父の道場に行くのはそれから怪我が完治した後だった。