実のところ、今回呼び出されたこっくりさんとは罰をうけた狸のヤツでして
その一回、こっくりさんとしての権能を押し付けられた魂がその償いを求められておりました
一回分のお供えだから、と安直な発想ですが。委ねられた力は中々のもの
ひょいと県を跨ぐのはもちろんの事、信仰と言う名の神秘を扱えるだけの能力を与えられましてね
野生ながらもこっくり狸、『願いを叶えればいい』となんて考えた
えぇ、早とちり。そんなに安い話じゃございませんよ
『■■はどこに居ますか?』
言葉で示すべきだったのです。思念で浮かんだその姿、場所、それらを文字で伝えるのがこっくりさん
しかしてそいつは失敗した。思念そのままを相手に伝えてしまった。だって、『出来る』から
あれよあれよと逃げ帰る、生徒の背を教室の中で魂のみが見つめてる
さて、ここでこっくりさん。これはルールが多い事でも有名。願いを叶える上でのマナーとも言いましょう。こちらはその一例です
"一人で行ってはならない""途中で指を離してはならない""こっくりさんを帰さなければならない"
お見事!これらを一気に破る大目玉。真っ当な霊ならここで祟り殺し待ったなし
しかしてそいつは失敗した。思念に浮かんだ少女に憑いてみたいと思った。だって、『出来る』から
実際は、現場は凄惨な事でしたが。何に惹かれたかこの雄はふらりと彷徨い夕暮れ時
流石の狸も線路沿いから離れた骸を見れば気付くもの。彼女はもう帰ってこない
しかしてそいつは失敗した。死体を内側から神秘で直せばいいじゃない。だって、『出来る』から
思い立ったものを実践してしまうもの。衝動は好奇心故、或いは……

「よし、これで……成功したんか?」
後の結末は、あらかじめの通り。これにて"起"は終えました
次は"転"。果たして、二三木 多々狸は一体ありゃ何なのでしょう?
