RECORD

Eno.492 伏見 陽花の記録

『過去』

十年ぐらい前。
私たちがお父さんとお母さんを失った時のことは、実はほとんど覚えていない。
でも、その事件のことはお祖父ちゃんから聞いた。
それが、神秘を知るきっかけになった事件。


神秘のこと。怪奇のこと。神秘管理局それに関わる人たちのこと。

すなわち───この世界の裏側アザーサイドについて。


……私が神秘を憎んでいるかと問われれば、違うとは言えない。
けれど、全ての神秘を否定したいかと言われれば…違うと言える。
なんというか…あの時の事件は、私にとっては交通事故やガス爆発みたいなもので。
神秘そのものを嫌う理由にはなっていないから。

ただ、危険な神秘…怪奇なら、被害が出る前に滅ぼすつもりだ。
いつか私たちと同じような被害者が出るとして、私が行動して防げたなら行動したい。
その中には私の知人や…お兄ちゃんが含まれているとしたら、なおのこと。
そしてそれを実感できればきっと、私は私を誇ることが出来るから。
裏世界アザーサイドの活動、怪奇との戦いは危険だけど…それだけの価値があると、私は思ってる。


…でもそれは、無謀で危険すぎる行為だと正気ではない言われた。
一つ間違えれば家族を悲しませ、普通に戻ることが出来なくなると。
ただの一般の学生がやることではないと。

そんなことは、理解わかっている。
それでも…私はやりたかった。平凡じゃない、何かを変えられる自分になれるならと。
怪我をしない自信がある訳じゃない。戦いのイロハを学んだわけじゃない。

私が持っているものはただ一つ、この”VALKYRIE-A4”未知の武器だけだ。
身を守る防具や手段なんて何もない。実はこの銃も危険なモノなのかも知れない。
けれど、そのたった一つが可能性を切り開いてくれるなら私は。







【対霊・神秘光銃"VALKYRIE"について】

『”VALKYRIE"は強力な兵器ではありますが、運用面に大きな課題が常にあります』

『この”VALKYRIE-A2"は改良重ね、一番の課題である燃費を改善、及び携帯性の問題を解決しました』

『以前よりも大型になりましたが、その分生命力の神秘への変換効率も上がり──』

『携帯、運搬に適した形である四角柱形に変形するようになりました』

『同時に今まで他の装備で補っていた筋力補強機能を内蔵させ、変形と共に起動するようにしました』

『これは最新型の必要に応じた最低限を強化するものであるため、負担はそこまで大きくありません』

『ただしあくまで筋力補助だけであり、疲労は溜まるほかエネルギーは弾薬と同じ自身の魂です』

『起動中に頭髪と瞳孔が白くなるのは反動を表すサインであり、神秘の利用と同じ影響が発生します』

『長時間の起動は控え、”VALKYRIE-A1"同様に外付けの代替エネルギー装備が必要となるでしょう』

                ─────────────”VALKYRIE-A2”開発主任、■■ ■■■