RECORD

Eno.367 日上 晴の記録

記憶

村に着いて、泊まり先の平屋であれこれ話し合いと食事をした後、俺は外に出た。

相変わらず雨は降っている。

でも、より一層暗く見えたから夜なんだろうなとは思えた。

暗い雨の夜道は本当に良く見えない。
見えるのは僅かな外灯と、下を向く向日葵。
晴れていたら、きっと綺麗な花を見せただろうに。

その中で、俺はある路に入ってしまった。
そこは明かりもなくて暗い中、植物も鬱蒼と生えていて、雨で歩きにくい路だった。
戻れば良かっただろうし、部員たちも心配すると思ったけど。
俺は、その路を進んだ。


着いた先に見えたのは、古びた小さな社だった。
誰も手入れしていないみたいで、誰にも見つからない、淋しげなところ。
こういうのは物語の展開的にも何かありそうで触れない方がいいと思ったんだけど、すぐに離れようとはしなかった。


…だってそこに、彼女がいたから。


村の入り口で遠くで目が合った彼女と出会ってしまったからだ。
雨が降っているのに、傘も差していない。
近くで見ると、俺よりも身長が高くて、雨が似合う彼女。

村の人とは違う雰囲気を持ったその人は、俺を見ていた。
それで、口を開いてこう言った。

「出ていきなさい。」



と。

…それだけだった。
それだけを言い残して、彼女は姿を消した。

…何者だったのだろう。






































「…そういえば、」


「なんか似てたな。」