RECORD

Eno.143 八坂 金寿の記録

触れられなくなった日

 
ぱん、と弾ける感触を覚えている。





小学生の頃。
ハムスターを飼っていた。


お腹のふくらんできた母が、しばらく俺に構えないからって。
買ってきた、ちいさくてかわいい小動物。

バカなガキだったけど、
命を大切にするくらいの教養はあったらしい。
けっこう、かわいがってたと思う。









ちょっとだけ。

ほんとうに、ちょっと握りこんだだけ。
ちいさな指のぜんぶで
そのふわふわとあたたかさを、感じたかっただけ。





















生き物を壊したのは。
後にも先にも、そん時だけだ。



今のところは。