RECORD
Eno.4 水野 ユミの記録
怪奇を殴った。
グローブごしのオバケの感触は、柔らかくて、そして冷たかった。
――手を上げたことがないわけじゃない。
いつだって私は、手が先に出るし、短絡的だし、何度も人にたんこぶを作ってきた。
高校になってからそういうのをやめただけだ。
わたしのグローブは、そういう戒めのためにある。
このグローブを汚さないように生きて、誰かを傷つけない人になろうって思って。
『大人になる』と决めて、わたしは黒い手枷を嵌めた。

私のグローブには、洗っても落ちない『違和感』がこびりついていた。
そして、それは何かを成そうとした結果ついた『汚れ』なのかもしれないな、と思った。
……大人になるのって、むずかしいなあ。
#01
怪奇を殴った。
グローブごしのオバケの感触は、柔らかくて、そして冷たかった。
――手を上げたことがないわけじゃない。
いつだって私は、手が先に出るし、短絡的だし、何度も人にたんこぶを作ってきた。
高校になってからそういうのをやめただけだ。
わたしのグローブは、そういう戒めのためにある。
このグローブを汚さないように生きて、誰かを傷つけない人になろうって思って。
『大人になる』と决めて、わたしは黒い手枷を嵌めた。

「……」
私のグローブには、洗っても落ちない『違和感』がこびりついていた。
そして、それは何かを成そうとした結果ついた『汚れ』なのかもしれないな、と思った。
……大人になるのって、むずかしいなあ。