RECORD
Eno.154 七未 めりいの記録
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あのお守りを渡してくれた時、
『鳴ったら絶対出ろ』って玄が言ってた。
……出た所で何を言えばわからなかったし、
今となっては何を口走ったかはっきり思い出せない。
多分、誰かに助けてって言った。
結果としてお守りは武器みたいなものになった。
カメラを向けてシャッターを切れば相手が吹き飛ぶし、
何か見えない壁が目の前に出来るような気がした。
結果として、わたしはまた見えない何かに守られてるのだけど。
それでも自衛の手段はこれで出来た。
周りで困ってる人が居たら、庇ってあげられるかもしれない。
もかちゃんも多分同じ境遇だったのかも。
二人揃って、出来ることが増えたね。
ただ一つ気がかりだった事がある。
ちょっとは怪我をしたはずなのに、
気が付いたらもう治ってたこと。
……家に帰ってから、こっそりカッターで指先を切った。
一分もしないうちに、目の前で塞がっていった。
これはちょっと、かなり……変だ。








その日からその不思議ならくがきめいたいきものは、
わたしの後をついて回るようになった。
もしかして、また管理局に報告しなきゃいけないですか。
このいきものの事。
ひつじがいっぴき・3
きっと、今まで生きてきた中で一番大きな声を出した。
自分だけじゃない。ここに居る二人のことも助けて欲しかった。
ぎゅっと目を瞑って叫んだ言葉は、
きっと原理不明な電波に乗って。
いつかどこかの神秘に触れたのだ。
何かの鳴き声が、一つ。
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あのお守りを渡してくれた時、
『鳴ったら絶対出ろ』って玄が言ってた。
……出た所で何を言えばわからなかったし、
今となっては何を口走ったかはっきり思い出せない。
多分、誰かに助けてって言った。
結果としてお守りは武器みたいなものになった。
カメラを向けてシャッターを切れば相手が吹き飛ぶし、
何か見えない壁が目の前に出来るような気がした。
結果として、わたしはまた見えない何かに守られてるのだけど。
それでも自衛の手段はこれで出来た。
周りで困ってる人が居たら、庇ってあげられるかもしれない。
もかちゃんも多分同じ境遇だったのかも。
二人揃って、出来ることが増えたね。
ただ一つ気がかりだった事がある。
ちょっとは怪我をしたはずなのに、
気が付いたらもう治ってたこと。
……家に帰ってから、こっそりカッターで指先を切った。
一分もしないうちに、目の前で塞がっていった。
これはちょっと、かなり……変だ。

「それにしても……あの鳴き声って
何の鳴き声だったんだろ?」

「怖い鳴き声じゃなかったし、
お守り携帯から聞こえたし……」

「んみゅ」

「そう、んみ〜みたいな……」

「え」


「んみゅみゅ〜い」

「………………………ぁえ?」
その日からその不思議ならくがきめいたいきものは、
わたしの後をついて回るようになった。
もしかして、また管理局に報告しなきゃいけないですか。
このいきものの事。

