RECORD

Eno.658 九鬼トーマの記録

あの日

体が軽い
夕暮れの廃墟群の合間を縫い、地面を蹴った
脚が反発力を生んで、加速していく
風が耳を掠める音がする

ここでなら昔みたいに走れるんだ

屋上のへりに脚をかけて、力を込める


ビルの間から覗いた夕陽に目がくらんだ