RECORD

Eno.299 九十八 陣(にたらず じん)の記録

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幼い頃、自分はどこかの寂れた村にいた。
どんな所の、どこにある場所か……と言われると説明はできない。
ほとんどの外に出たことがなかったから。

幼い頃からそばにいた人達は皆、自分に向かって恭しく接してきていた。
彼らの中では自分は「かみさま」
「にのかみさま」というものだったらしい。
おかげで、今でもどれが自分の両親なのかさっぱりだ。……そこはもう、どうでもいいか。

「にのかみさま」だった自分は、
そうして大切に扱われていた・・・・・・
自分の身の回りのことは他人がなんでもして、
どこかの建物で一日中座って祈って。
時折何人か連れて村中を回ったりしたような……気はする。この辺は幼い頃の記憶だからか朧げだ。

自分は自分で、それ以外のことはろくに教わらなかったからか何にも思わずに毎日を過ごしていた。

……七つの誕生日を迎える前日までは。