RECORD

Eno.166 結祈伽羅の記録

金毛-2

「何故、私を匿う」



「それはね、阿膠さんしかあの方にたどり着いた人が居ないからです」

「言わぬ……ぞ」



「分かっていますとも
同じ記憶を持つ僕は憎いライバルになり得ますからね」

「……」



「夜呼を護りたいんですよ、わかるでしょう?」

「我らの妹なら、未だあの方の傍にある」



「……ただの皮です
襟巻きを妹と呼ぶ趣味はありません」

「……ならば妹を連れて帰れ、伽羅。叔父としてお前達には情もある。
私で日々呼の呪いは終わりにするのだ」



趣味の悪い話だ。
結祈は血を濃くする為ならなんでもやった。
取り違える為に同じ時期に産ませる事も、腹を裂くことも厭わない。
兎に角男子はそうやって本家に集められた。

「……従姉妹ですよ、あの子は」

白々しいな。

「それに帰ったら子を作らされるだけ、僕らはそんなの死んでもごめんです」

伽羅…私を置いたとてあの人は来ぬよ



「そうでしょうね」

匿う?冗談じゃない。
貴方が邪魔なのはこの僕だ。

日々呼はもう、僕一人の名でいい。
貴方の想いはここで干からびてゆくのだ。