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「私はどちらかというと、戦いたい、力を振るいたい、って前向きな人に話を伺いたいわね」
「実際どう? 制御できてる? 自分の力や衝動を」

『裏世界初心者勉強会』。
勉強会と名前を付けて、右も左もわからない人達が集まる、
何となしでできた集会のひとつだ。
何となく、僕はこの集会に参加していることが多い。気がする。
少なくとも、学連や機関の拠点よりは入り浸っている。
……理由としてはいくらか思い当たるけど、
今は、「友達が多いから」くらいの簡単なことでもいいかもしれない。
閑話休題。
勉強会では、しばしば自分たちの置かれている状況を踏まえて、
意見交換や価値観の共有を行うことが、ある。
共有という表現は似つかわしくないかもしれないが。
表明という方が適さないだろうし。
考えや感想をお互いに発信し合う場というものは、あっていい。
それが互いによい作用を生むのなら尚更だ。
『その日』の議題は、概ね、裏世界で得た自分たちの力への向き合い方。
人も多く賑やかで、たくさんの考え方が出てきた。

「思ったよりこの力は私の傍にずっといて、
これで何かできるんだっていう、うんと……
効力感? は、何となく嬉しい……」

「自分でも役に立てるんだ、
だからそうしたい……という気持ちになるのは、
きっと、力を持てているから、だと思うし」
───もっともわかりやすいところだと、
『誰かの役に立つ』ということを喜ぶ気持ち、があった。
きっと僕も、戦場に立ってそうしたこと、感じる機会があるのかもしれない。
何もできないよりは、何かをできた方がいい。

「自分の力を楽しんだり、満足するために使うのは、
この……線に近づくこと、のはずだし、だってその、
えっと……それは……言うなら……」
「……普通ではない。」

「……普通じゃない事に巻き込まれてしまったから、
って考えるのは良くないな。
普通じゃないが普通になったら線引きが緩くなる」
『普通』について考えている人もいた。
僕たちは概ね、裏世界での出来事に巻き込まれるまでは、
『普通』と呼べる生活を送ってきた はずだ。
それが覆ることは、自分たちの日常が覆ることでもあるだろう。

「戦いに積極的ではあるものの、これに溺れて均衡を崩してはならんな、とも思うわけだ」
「今は……その辺りのすり合わせをしている段階なのかもしれんな。俺の中で」

「衝動は制御できていません。破壊は楽しい」
「ですが、皆様を殴ることはありません。
それを制御できていると呼ぶのなら、まあ」
戦いに積極的な人からは、制御についての所感が聞けた。
彼らには彼らなりの線引きがある。
共通するのは、『望まぬ時に衝動が引き出されないようにする』といったもの。
前に出ることが多いからか、慎重な言葉遣いだった覚えが、ある。

「間違えたときって間違えてるから、そこで止まるとかは難しい気がするし……。
信頼できる人に自分停止ボタンとか渡せたら良いのにな」
……もしも力に溺れて道を踏み外した時に。
どうするべきか、どうしたらいいのか、ということも話し合っていた。
自分を制御できない状態は、良くないことだ。
それを互いに差し止めるために、仲間というものが存在する、のかもしれない。
僕はそれらを。
ほとんど、自分の意見を零さず、相槌だけ打って聞いていた。
理由は単純だ。
僕の意見は、みんなの示したい結論とずれていたから。
口を出せばきっと話をややこしくしてしまうから。