RECORD
Eno.160 琉華院 いのりの記録
ぷかぷか
あたし、夢を見てた。
お魚になって皆でぷかぷかと泳ぐ夢。
世界が突然滅んで、魚達が水の中に沈んだビルを泳ぐ夢。
別に、人が嫌いだとか憎いって訳じゃない。
別に、こんな世界全部全部なくなっちゃえって思った訳じゃない。
けれど、もし世界が何かの理由で滅んじゃって、ビジネスビル街も学校も家も全部全部水の中に沈んじゃって。
その中でおさかなさんだけが生き延びて、もう誰もいないビルを自由に泳いでたら。
魚達と水だけの世界になったらどんなに綺麗だろうって、そんな空想を抱いたことがある。

気づいたら、まさにそんな空想が現実になったような世界が広がってたの。
あたしは金魚になって、世界が滅んだ後のビルの中を泳いでいた。
魚達は皆温かくて、とってもキラキラと輝いていて、とっても個性的で素敵な子ばかり。
あたしは、すくわれなかった金魚だけど、きっとすぐに誰かにかわれて可愛がられるんだろうなぁ。
陸の上の世界は、辛いことが沢山ある。
たった一人がワガママ言ったところでどうしようもならないこともある。
そんな嫌なこととか辛いこととかままならないこととか全部忘れちゃって。
与えられた美味しい餌を食べて、自由気ままに泳げたら。
そんな素敵な世界にずっとずっといられたら。どんなに素敵なんだろう。
ずっとここにいたいな。もどりたくないな。
皆もずっとここにいていい、もとの世界になんてもどらなくていい、って言ってる。
……でも、
夢の中で、誰かが呼ぶ声がする。
あたしはいつも、その声にひかれて目を覚ますんだ。
だって、これは夢。夢はいつか醒めるものだから。
……でもこれがもし、限りなく夢のような現実だったら?



お魚になって皆でぷかぷかと泳ぐ夢。
世界が突然滅んで、魚達が水の中に沈んだビルを泳ぐ夢。
別に、人が嫌いだとか憎いって訳じゃない。
別に、こんな世界全部全部なくなっちゃえって思った訳じゃない。
けれど、もし世界が何かの理由で滅んじゃって、ビジネスビル街も学校も家も全部全部水の中に沈んじゃって。
その中でおさかなさんだけが生き延びて、もう誰もいないビルを自由に泳いでたら。
魚達と水だけの世界になったらどんなに綺麗だろうって、そんな空想を抱いたことがある。

「……………………。」
気づいたら、まさにそんな空想が現実になったような世界が広がってたの。
あたしは金魚になって、世界が滅んだ後のビルの中を泳いでいた。
魚達は皆温かくて、とってもキラキラと輝いていて、とっても個性的で素敵な子ばかり。
あたしは、すくわれなかった金魚だけど、きっとすぐに誰かにかわれて可愛がられるんだろうなぁ。
陸の上の世界は、辛いことが沢山ある。
たった一人がワガママ言ったところでどうしようもならないこともある。
そんな嫌なこととか辛いこととかままならないこととか全部忘れちゃって。
与えられた美味しい餌を食べて、自由気ままに泳げたら。
そんな素敵な世界にずっとずっといられたら。どんなに素敵なんだろう。
ずっとここにいたいな。もどりたくないな。
皆もずっとここにいていい、もとの世界になんてもどらなくていい、って言ってる。
……でも、
夢の中で、誰かが呼ぶ声がする。
あたしはいつも、その声にひかれて目を覚ますんだ。
だって、これは夢。夢はいつか醒めるものだから。
……でもこれがもし、限りなく夢のような現実だったら?

「でも、不思議だねぇ。あたし、何でひーくんになってたんだろ。」

「夢の中の店員……?みたいな誰かが言うには、
水の中に生きるものの縁の繋がりで、仮の姿を貸している……?みたいなこと言ってたけど。」

「…………よくわかんないけど、ひーくんのおかげ、なのかな?
えへへ、ひーくんみたいに泳ぐの、とっても楽しかったぁ。」