RECORD

Eno.34 笛理 彗昴海の記録

廻星、断繋占いて

死に際に掴んだ神秘。
僕が妹と一緒になって、使ったのはテストの一度きり…それ以降金輪際使ってこなかった力。



廻星断占アステール・ディバイナー
…一時的、又は恒久的に、人やモノの繋がりを「断ち切る」力。

それはある種、あまりにも強大で、残酷な力で。
使った後に酷い"反動"に襲われることも相まって、使わないようにしていたけど。



最近、一度だけ使った。
それは、彗昴海抜きで、カケルさんに相談事をした時。
彗昴海との繋がりを、ごく短い間、一時的に断ち切ることで、僕は僕だけの意思で、辛うじてこの体を動かすことができた。

生命維持装置を外していたようなもので。
反動も合わせて、負担は凄まじかった。でも、それに見合った収穫があった。


カケルさんと帽子さんは、僕の決意をないがしろにすることは決して無かった。
でも同時に、今まで誰彼にも生きていることすら言えなかった僕に、
せめてもの時間生きることを、生きることを諦めないことを、望んでくれた。


程なくして、僕には失いたくないものまでできてしまった。
久慈 未矢ちゃん。僕は、君を失うことも、君から僕を奪うこともしたくない。
僕はもっと、君がそうやって照れている姿を見ていたい。君に触れていたいんだ。










だから、生まれて初めて。
妹にせがんだんだ。
一度きりの、命を懸けた我儘を。










妹はそれを、文句ひとつ言わず笑顔で認めてくれた。
だから。










お兄ちゃんは、ずっと僕を支えてくれたから。
この命を危険にさらしてでも、僕は貴方を失いたくないから。










「『僕達は決断した。』」