RECORD

Eno.482 真琴田 万司の記録

その後ろに息づくもの

母上は、厳しく、そして正しさについてよく言及していた。


――正しく力を育てなさい。
――正しく力を奮いなさい。
――そして、その役目を果たしなさい。


正しい力、正しい役目。大事な事だ。
その時の会話は、確かこうだ。

『母上、役目とはなんですか?』
『それは私たちが背にする者達の営みを護り、続くよう手助けする事よ』

私は、その時は納得した。
しかし、あの時、揺らいだ。

――この胸の痛みを抑え、護る営み、続きとは、なんだ……?

私は、散々訓練を受けていたにもかかわらず、滑稽にも私は後ろにある営みも知らなければ、
そこにある人々の顔も分からない。
だから、情けを受け、コネを使い、比較的普通の中学に行った。
その中で学ぶ事は新鮮で、”普通”の人たち、その”営み”を知る事が出来た。

だが――


恋愛についてはぜんっぜん分からない。
私は思う――人が続いていく営み、その上で重要な恋愛を知る必要がある。
決して女の子といちゃいちゃして……最終的に手をつなぎたいという下心があるわけではない。