RECORD

Eno.83 大御門 錦慈の記録

水音が聞こえる




水音が聞こえる




「……ん?ああ、そうか。」


「まだ夢を見るあれ、続いてるんだっけ。」


「まあ、寝ている間ならいいよと言ったわけだし……
 付き合わないとね。今日は何を問われるのかな?」





水音が聞こえる



「……あれ、なんか妙だな……」


「何か、問題でも──」



「いやあ、ごめんなさい、遅れちゃった」



「──!」


(この感じ、鬼怒川さんの呪いじゃない……"何"だ?)


「まあまあ、そう警戒しないでくださいよ。
 今回夢に出るの不思議な存在はワタシってだけなんですから。」


「……横から入ってこれちゃうんだ、これ?」


「あらま、随分と聡明で。そして慣れてらっしゃる。
 やっぱり裏世界生まれなのが関係してるんでしょうか。」


「君は、何かな。
 どうして僕の夢の中に入ってきたのか、説明してくれるよね。」


「ええ、そりゃもうじっくりと。
 ……と、言いたいところですが術者の方に気づかれました。
 いやあ、早い早い。優秀な方に呪われてますねぇ、若君。」


「……。」


「そう、睨まないでください。ワタシは若君、あなたの味方ですよ。
 はい、では時間がないので端的に問いましょう。」


神様に、なりたくはないですか?


「!」


「ワタシならあなたに足りない部分、埋めて差し上げられるでしょう。
 本物の神様に、なりたくはないですか若君。」


「……悪いけど、唐突に出てきた存在の言葉を
 易々と信用するわけにはいかないかな。」


「おっと、これは手厳しい。
 本当は今すぐにでも本物になりたいはずなのに。」


「まあ、よろしい。ワタシはただ待っておりますよ、若君。
 貴方が授けられた場所で、貴方が神様になりに来るのを。」


「……。」


「ふふ、何時迄も」





水音が聞こえる



「お待ちしておりますよ、ワタシの若君。」





水音が聞こえる






水音が聞こえる






水音が聞こえる






水音が聞こえる