RECORD
Eno.325 大狼沙繰の記録
──おれ、は……。
俺ってなんだろう。僕って誰だろう。私は、誰だっただろう。
わからないことばかりが頭の中を埋め尽くす。
唯一わかるのは、自分という存在がひどく曖昧であるということ。
知ってはならない。気付いてはならない。
忘れるのだ。捨て去るのだ。後戻りができなくなる前に。
寒い。瞼が、身体が重い。力が入らない。
立ち上がろうと試みる。
地面にミミズの這ったような跡を作っただけ。
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声は震えていて、嗚咽混じりのもの。
無力だ。
その声は誰にも届くことなく、静かに消えていく。
ここで、消える。だから、これでよかったのだ。
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──おれ、は……。
俺ってなんだろう。僕って誰だろう。私は、誰だっただろう。
わからないことばかりが頭の中を埋め尽くす。
唯一わかるのは、自分という存在がひどく曖昧であるということ。
知ってはならない。気付いてはならない。
忘れるのだ。捨て去るのだ。後戻りができなくなる前に。
寒い。瞼が、身体が重い。力が入らない。
立ち上がろうと試みる。
地面にミミズの這ったような跡を作っただけ。
…………。
声は震えていて、嗚咽混じりのもの。
無力だ。
その声は誰にも届くことなく、静かに消えていく。
ここで、消える。だから、これでよかったのだ。