RECORD

Eno.284 百合織 徹の記録

🌆

屋外のバスケットコートで、ぼんやりとゴールリングを眺める。

夜の筈なのに空は焼け、リングの位置が数倍高いこと以外は、
まあ普通の、静かでいい公園。

「……」


ホラー動画見てもやっぱ怖いもんは怖いな~……!



耐性付ける為にテスト勉強のお供に流し見してたけど。
紙面に記されたインクの跡でも、液晶の向こう側でも、悪夢でもない。

確かに、今、非現実の中に自分は両の足で立っている。

鳩尾をぎゅ、と押さえた。
俺、怖いの苦手なんだって。




だとしても慣れなきゃいけない。
事故に巻き込まれる形だったとしても、この世界を認めて、不安定どころじゃない将来像を固める為……
というのは正直建前だけど、そういうゲームみてぇじゃん!かっこいい!つって好奇心で浮足立つままインターンシップ生になると決断したのは、紛れもなく自分自身。
ビビってできませんでした~、だなんてダサすぎる。




というか、自衛手段を授けるとか言ってたけど。
実を言うと、俺は喧嘩らしい喧嘩をしたことがほとんど無い。

母親はバカにしてくるガキは〇〇ピーひっつかんで雑巾みてぇに固絞りしてやんな、とかかなり血の気の多い人だけど。
その血をもってしても俺はガタイだけの小心者なのだ。
だって、俺は人にケガさせるの怖いし。おれは笑顔が好きだし。

……ゴリラがその有り余るパワーで誰かを不意に傷つけて悲しんだみたいなの見たことあるんだよな、ネットで。
真偽は知らんけど、ゴリラの気持ちわかっちゃうな~。


「ん゛~~~ぅ……」



このままモヤモヤ立ってても時間が流れるだけだ。
気を紛らわせようと、足元に転がっていたボールを片手で掴んだ。




掴ん……




*もふ*