RECORD
Eno.326 些行 桧衛の記録
Angel Number.11
-- あなたは重要な人生の転機に立っている。
表世界にも慣れた俺は、いつかまた守護天使としての役目を果たせるようになる日を夢見ながらぼんやりと過ごしていた。
ホームに電車が到着し、いつものようにその鉄の扉は口を開ける。

俺の頭には数字が浮かんでいた。これは俺の守護天使的側面で…意味がある。
けど、力を殆ど失っている俺はその意味をきちんと知ることもなくただただいつも通りを送ることしかできない。
11、とメッセージを打って、無意味な呟きをネットに投げる。

その時、けたたましい音が鳴り響いた。

電車は急停止し、そして数秒後、それは起こった。
後のニュースで知ったが、その警報のおかげで俺の乗っていた電車含め、
多くの電車が脱線事故を免れたらしい。
力が戻ったとして、守護天使の力に確実性はない。
何が起こるかの予測ができるわけでもないし、
サインを伝えたところで絶対に人間を守れるという保証はない。
科学の英知は確実にそして多くの人の命を救った。
神秘という、不明瞭なものにはできないことで。
俺はその時思ったんだ。
これからの時代、人間を守るのは人間なんだと。
俺は科学に完全敗北し、その可能性に恋をした。
…
そして気付いた。
指先が薄ら透けている…


必死に不確実性を訴え、どうにか戻った不透明度に息をつく。

表世界にも慣れた俺は、いつかまた守護天使としての役目を果たせるようになる日を夢見ながらぼんやりと過ごしていた。
ホームに電車が到着し、いつものようにその鉄の扉は口を開ける。
(11…、11)
俺の頭には数字が浮かんでいた。これは俺の守護天使的側面で…意味がある。
けど、力を殆ど失っている俺はその意味をきちんと知ることもなくただただいつも通りを送ることしかできない。
11、とメッセージを打って、無意味な呟きをネットに投げる。
(もうすぐ、11分…か。
あと10秒。何かあるとしたら、もうすぐ─)
その時、けたたましい音が鳴り響いた。
──緊急地震速報──緊急地震速報──
電車は急停止し、そして数秒後、それは起こった。
後のニュースで知ったが、その警報のおかげで俺の乗っていた電車含め、
多くの電車が脱線事故を免れたらしい。
力が戻ったとして、守護天使の力に確実性はない。
何が起こるかの予測ができるわけでもないし、
サインを伝えたところで絶対に人間を守れるという保証はない。
科学の英知は確実にそして多くの人の命を救った。
神秘という、不明瞭なものにはできないことで。
俺はその時思ったんだ。
これからの時代、人間を守るのは人間なんだと。
俺は科学に完全敗北し、その可能性に恋をした。
…
そして気付いた。
指先が薄ら透けている…
(まっ…、やべやべやべやべやべ、消える…!)
(まてまてまて!別に消えたいわけじゃないって!
エンジェルナンバーにもまだまだ可能性あるから!!
俺だってまだ守りたい人いるから!!)
必死に不確実性を訴え、どうにか戻った不透明度に息をつく。
(神秘と科学…)
(なんとかして、仲良くできねえもんかな…)