RECORD

Eno.280 黒羽 蒼葉の記録

あたしの姉さん


思うに。

両親を亡くしてからずっと、あたしの傍にいてくれた姉、【黒羽 紅葉】はあたしの半身みたいなものだったのだと思う。

だから、姉が失踪したあの日。
あの日からずっと、あたしの中には半身を引き抜かれた穴が空いていた。

その穴を塞ぎたくて、あたしは必要以上に人との繋がりを求めた。
結果、友人は沢山出来たと思う。
だけど、それだけでは穴は塞がる事はなくて。

あたしは、表面上は普通を装いながら、その穴を塞げる存在を探し続けた。

それは、貴女学院に来てからも変わらなくて。
この一ヶ月弱に、あたしは色々な人に会い、近付き、離れ、過ごした。
正直、姉がいなくなってからの二年より、この一ヶ月の密度の方が高かったのでは、と思うくらいに。

そして、あたしはあの人に出会った。
天色 響。
あたしの、胸中の穴を塞いでくれる女性ひとに。