RECORD
Eno.287 御廊守蒼真の記録

「はぁ、はぁ、はぁ…………!」
逃げる、逃げる。只管に。
真っ赤に照らされた廊下を、不合理につながり続ける回廊を。
振り向く暇は無い。ただ音が、化け物の集団が追い掛けて来ている事実をたからかに宣言し続けていた。
12歳の頃の話、中学校上がりたての夏休み。確かその日は、兄妹だけで出掛けたんだ。
妹が行きたがっていたキャラクターのアミューズメント施設に行って、安いファミリーレストランで昼飯を食べて、途中のゲームセンターでぬいぐるみをとって駅に戻るところだった。
紅音は大好きなキャラクターの、ウサギ版のぬいぐるみを抱えて沢山話していた。
その途中で……そうだ、駅に行くための大きな道が塞がっていたから、一通りの少ない道を回ることになったんだ。
それで、それで……スマホのマップが突然効かなくなって、道も分からなくなって、とりあえず進んでみたんだ。
そしたら、突然知らない景色────赤い光に照らされた学校みたいな所にいた。
「お兄ちゃん、怖いよ……」
なんだここってなって、とにかく嫌な感じだから出ようって紅音が言うから廊下に出て……ああ、それで。
「何、ねえ、あれ、なに?!」
それで、大量の化け物に追い掛けられたんだ。
「お兄ちゃん、まって、ねえ、まって!!!!」
俺たちは逃げた。逃げて、逃げて、逃げて逃げて逃げて逃げて──────────
「嫌だ、ねえ、ねえ!!!」
「たすけて、お兄ちゃん!!!!」
「たすけて!!!」
ふと、紅音が無事か振り返った。
景色は赤い色はなくて、化け物も────紅音も無かった。
そこにあったのは、紅音が抱いていたはずのぬいぐるみだけだった。
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「はぁ、はぁ、はぁ…………!」
逃げる、逃げる。只管に。
真っ赤に照らされた廊下を、不合理につながり続ける回廊を。
振り向く暇は無い。ただ音が、化け物の集団が追い掛けて来ている事実をたからかに宣言し続けていた。
12歳の頃の話、中学校上がりたての夏休み。確かその日は、兄妹だけで出掛けたんだ。
妹が行きたがっていたキャラクターのアミューズメント施設に行って、安いファミリーレストランで昼飯を食べて、途中のゲームセンターでぬいぐるみをとって駅に戻るところだった。
紅音は大好きなキャラクターの、ウサギ版のぬいぐるみを抱えて沢山話していた。
その途中で……そうだ、駅に行くための大きな道が塞がっていたから、一通りの少ない道を回ることになったんだ。
それで、それで……スマホのマップが突然効かなくなって、道も分からなくなって、とりあえず進んでみたんだ。
そしたら、突然知らない景色────赤い光に照らされた学校みたいな所にいた。
「お兄ちゃん、怖いよ……」
なんだここってなって、とにかく嫌な感じだから出ようって紅音が言うから廊下に出て……ああ、それで。
「何、ねえ、あれ、なに?!」
それで、大量の化け物に追い掛けられたんだ。
「お兄ちゃん、まって、ねえ、まって!!!!」
俺たちは逃げた。逃げて、逃げて、逃げて逃げて逃げて逃げて──────────
「嫌だ、ねえ、ねえ!!!」
「たすけて、お兄ちゃん!!!!」
「たすけて!!!」
ふと、紅音が無事か振り返った。
景色は赤い色はなくて、化け物も────紅音も無かった。
そこにあったのは、紅音が抱いていたはずのぬいぐるみだけだった。