RECORD

Eno.1348 紙谷兄弟の記録

本日の記録



本田氏の寮室に泊めてもらったが、まさかの一番最後に起きるという恥を晒してしまった。夜中に何度も起きてしまったという言い訳はさせてほしい。流石に言わなかったが。やっぱ隅っこが一番マシ。
ラウンジで飯を食べるという体験をさせてもらったのは嬉しい。慧門が選んだのは結構デカい揚げパンだったが、ぺろりと食べきるのですごいなと思った。俺はタマガイくんフェスで食べたタマガイくんサンドがまだ腹に残ってたのか、牛乳すらしんどかったんだが。流石に外出先で吐くのはまずいと我慢したからかも。
本田氏に専門の人に相談するように勧められたが、専門の人ってまずどんな人かわからない。内科でいいのか?胃腸炎じゃなさそうだが。

緊急性があるってことで、家を捜査されるらしい。確たる証拠……研究日誌の写しと蠱毒の一部、その他細々した証拠を提出したから、明後日にはたぶん捕まる。複数人必要な依頼を一人にやらせるのを繰り返すとさ、情報収集も自分でやらないといけないから身に付くんだよな。アイツらが自分で首を絞めた形ですね、ざまあみろ。潜入技能だから日常生活の役に立たないのが残念。

慧門に関しては資料と俺の推察を考慮した上で、検査してもらうことになった。あと慧門はあらゆる予防接種を受けていない可能性が高いため、ガチの身体検査になるようだ。採血やワクチン接種のための注射に関して、「痛くて泣いちゃうかもだけど、慧門が元気に暮らすためのことだから頑張ろうな」と言い聞かせている。
なお本人は余裕ですと言わんばかりの態度で、「お兄ちゃんの方が泣きそう」と言われた。お兄ちゃん悲しい

ホテルに泊まるのは無理だから拠点を用意しようという話をしたのは金曜の夜。管理局に行く都合上、土曜日の晩は本田氏に泊めてもらったが、それ以降はアザーサイドコロニスト本拠地にある広めの休憩室に泊めてもらおうと思っていた。
うちの仕事が出来すぎる使用人は、土曜日の朝イチで即入居可のアパートを買収したらしい。何やってんの!?……まあ、それもあって今日は快適な部屋で過ごせている。ありがたい話だ。

彼女について、わかったことがある。彼女は怪異だ。そして、俺が提出した蠱毒の一部でもある。もちろんそのままじゃなくて、髪を一房もらっただけだ。
人間に見せかけるのが上手すぎるから気付きにくかったが、慧門が楽しく接しているのが気になり、狐の窓を使ったら見えた。正直死ぬかと思った。蠱毒ってマジで悲惨だわ。
彼女はクソ親父に一発ブチかましてやるつもりでいたらしい。しかし彼女はクソ親父の部屋に入れない。怪異避けが何重にも施されていては難しいだろう。というわけで隙をうかがうために使用人として潜入したところ、慧門に情が移ってしまったと。まあ普通の神経してたらそうだわ。
というわけで自分の代わりってわけではないもののクソ親父をブチのめし、目の上のたんこぶだった監視役を殺した慧門に恩返しがしたかったらしい。何じゃそら。
ついでに家をぶっ潰そうと計画し始めた俺にも好感度爆上げだったらしく、今回の爆速拠点設営に至ったとか。感性が人間と違う……

とりあえず、しばらく裏で暮らすことになる。全部終わったら身の振り方を考えねば。