RECORD

Eno.279 葦原奏翔の記録

17:よだかの星【葦原奏翔】

戒先輩達が夜鷹討伐を果たした
音速を軽く超えるとされるあのエンダー個体を誰一人欠ける事無く討ったのは快挙だろう

後に特務心装部で戒先輩達と合流した際
戒先輩が回収してきた夜鷹が落とした羽根が置いてあった
箇所で言うなら綿羽と呼ばれるものだろうか
鳥にとっては保温材のようなものであるからか此れは報告書に記されていた硬質な羽根と違い柔らかい
夜鷹という識別名称に実に相応しく
エンダー化したら本当に鷹というか鳥の性質を持つのだなと思った

………俺は此れを形見として貰うことにした
この羽根の持ち主である夜鷹も
俺等と同じ人間で
人の身に過ぎた程の絶望からあの様になってしまったんだろう
会ってもなければあの場に居合わせてないけれど
手にした羽根から何となくではあるけどそんな気がしたんだ

回収された羽根の1つは埋葬に回してくれるらしい

絶望を抱きながらも太陽という行きたい場所にも行けず
星々からも見放され
居場所すらも失った後は自らの命をかけて夜空を飛び続け
そうしてよだかは何時しか青白く燃え上がる「よだかの星」となり、今でも夜空で燃える存在となる


なんてのがお話にあるよだかの星の結末であったがあの夜鷹も命を賭して戦った末に星になれたのだろうか
悔いなく……彼は逝けただろうか
人であることさえ喪い、心が壊れて暴走した果てに命も尽きて……そういう意味では星になったと言えるが
彼にとって最期が少しでも報われたものである事を願う
と同時に俺達は夜鷹、否、彼等"四騎士"のようにならないようにと気を引き締めなければならないだろう
だからこの羽根は形見でもあり反面教師の証として持っていく背負っていく事にしよう
彼は他者を襲い危険視され討たれたけれど
"何も遺らなかった"
なんてのは些か寂しいものがあるしな



【葦原奏翔】