RECORD

Eno.712 茅鳴 ほみの記録

茅鳴直生の日誌 #5

各陣営の裏世界での活動とやらが本格化しているらしい。
ほみも、表と裏を行き来しながら小遣い稼ぎをしているようだ。

裏でしか会わなかった奴もいるのだろう。
「ふしぎさんなかま」と話すからには、相手もほみを怪奇と認識しているらしかった。
その通りこいつは裏の化け物だったわけだし、心配はしていないが。

「お前は自分が人間と思われないことには何か感じないのか」と訊く。

「ふむふむ」

「あっちには ふしぎさんがたくさんなわけだよね。
 ほみがふしぎさんだと思われたとして
 たくさんいる中のひとりなので
 しんぱいさせるよりかは いいのかなと思います」


人間として扱われたいわけではないのか?
僅かなヒントを得て思考する間にも、ほみは楽しそうに続ける。

「にんげんさんの暮らしは 楽しいよ!
 ごはんにあそびに おしゃべりやおべんきょう
 先生が教えてくれたもの いろとりどり」


……違う、俺はお前に、そんな綺麗な理由でものを教えてなんかない。

「ほみはね、ふしぎさんだけど。
 ふつうの女子中学生でもあるんだね。
 先生がほみを そうさせてくれたもんね」


俺を親みたいに慕わないでくれ。

「それにね、だいじょうぶ!」

「どんなふしぎさんなのかは」



「先生も知らないもんね」


ほみはそう言うだけ言って、おやすみ!と告げて寝室に引っ込んだ。
全てを見透かしたような言葉に、心臓の音が止まらない。