RECORD

Eno.492 伏見 陽花の記録

『反動』

ここ最近、”VALKYRIE"ヴァルキリーを起動しすぎた反動からか疲れが抜けない。
今までは見回りだけで戦闘になることも少なかったけど、ここしばらくは戦う機会も増えた。
怪奇の活性化というものなのかもしれない。

今のところはまだ、裏世界に関するどこの機関にも所属していない。
このまま活動を続けるなら所属した方がいいのは分かっているけれど…。
お兄ちゃんに知られることにはまだ、勇気が出ない。

怒られたくない気持ち。
仕事を手伝いたい気持ち。
心配を掛けたくない気持ち。
褒められたい気持ち。
この活動を止められたくない気持ち。
傷ついて欲しくない気持ち。

色んな心があって、どれも間違いじゃないと思うから…迷い続けてしまう。
…だから、自分から言うよりも…バレないまま、今のままがいいと願ってしまう。
今のままが危険なことというのも分かっているけれど。

私がお兄ちゃんに傷ついて欲しくないという気持ちがあるなら、
お兄ちゃんが私に傷ついて欲しくないという気持ちもあるだろうから。

…決められない今は、まだこのままで。










【対霊・神秘光銃"VALKYRIE"について】

『多くの調整と技術の研鑽を重ね、新しく”VALKYRIE-A3"が完成しました』

『これは”VALKYRIE"としての一つの完成形と言える代物になりました』

『その最たる理由として、これまでと違い体力と精神力で神秘を代用できることです』

『今までは寿命のみを削っていましたが、”VALKYRIE-A3"はいわゆる活力があればそのリスクが大きく減ります』

『つまり、通常の兵士でも休息をしっかりとれるならば利用しやすい武器になったわけです』

『ただし、活力の限界を超えての利用は今までと同じように寿命を大きく削ります』

『また”VALKYRIE-A3"運用テストのデータにより、多用による反動の段階を大きく三つに分けました』

『第一段階は、運用後から数日に掛けて残る疲労感の発生』

『第二段階は、疲労感の悪化による体調不良、身体の衰弱…そして寿命へのある程度の影響』

『そして第三段階は、昏睡に至ったのち重度の後遺症と――――』

                ─────────────”VALKYRIE-A3”開発主任、■■■ ■■