RECORD

Eno.1461 篠崎 駿の記録

消えない想い

今日、誠君が友達の女の子と一緒に店に来た。誠君はあの河川敷で、俺の話を聞いてくれた。暴力の快感、笑みがこぼれる自分への恐怖、全部話した。あの時、誠の目にも同じ影があった。今日は友人と笑いながらコーヒーを飲んでたけど、二人の姿を見た時昔の自分がチラついた。

優の笑顔、如月の花の絵、ピックのコースター…全部、優の欠片だ。

二人の楽しそうな姿が、凍りついてた心を溶かした。

優の…彼女の日記を遂に読む時が来た。

2年前、優が死んだ後、彼女のお父さんが遺品を渡してくれた。彼女が好きだった紫陽花が表紙の可愛らしい日記だった。でも、俺はそれを見る勇気が無かった。あの日の、君や俺の夢を奪ったあの夜を思い出すのが怖くて、日記を開けなかった。でも、誠君達の笑顔があの日の僕たちと重なった。その姿を見て俺は決心した、君の想いから逃げちゃいけない君が何を背負っていたのかを僕は見なきゃいけない。

早速ガレージで、震える手で日記を開いた。

君の字、優しいのに震えてる。裏世界の話、頭痛、記憶が消える恐怖と体重が減っていく事への恐怖と悟り、君、消えると分かってたんだ。なのに、困ってる人を守りたかった。

ページを読み進める度に涙が滲んで、ページが濡れた。

君は裏世界で戦ってた。俺が何も知らなかった頃、君は戦って、記憶と体を削られてた。それでも、俺や誰を守るために戦い続けた。

君の日記、読んで分かった。君は消える恐怖と戦いながら、俺を、誰かを守りたかったんだよな。

優、君の愛は俺の中で生きてる。暴力的な俺が本当の自分でも、君の優しさを守るために戦うよ。

誰かを守りたいって君の想い、絶対無駄にしない。