RECORD

Eno.38 穂叢 焔芽の記録

回顧

子どもの僕といえば、全く困った娘だったのだろう。
親が言うには目を離せば危険に突っ込み、予想できないことをやらかし、数多の道具を破壊したとのことだ。
僕が記憶している限りで振り返っても、今思えば両親に同情するほどだ。

つまり、僕は生まれついてからずっと、好奇心に任せて生きている。
今でこそ結果について責任を負うことを知ったが、それ以前は手に負えなかったと言って良い。

生まれこそ由緒ある神社の出身だが、品行方正なお嬢様とは程遠い。
かといっていわゆる悪ガキタイプとも違って、話もろくに合った試しがない。
今も昔も、普通ならゲームの話題は広く通用するはずなのに、それすら着眼点が違ったせいで話になったことがない。

そもそも人の事情も知らずにずけずけと踏み込もうとするから、好意的に思われたことはたった一度も無かった……と言って良いだろう。
話が合うどころか、間違いなくクラスの嫌われ者。

いじめのような出来事もあったが、逆に僕が面白がって犯人を徹底的に突き止め、動機や心情について問い詰めた結果、もはやいじめすら無くなり完全に避けられた。
僕としては別に嫌がらせをしようというわけでもないし、仕返しのつもりもなく、むしろ僕にとっては好意の顕れだったとすら言い切れるのだが。

それでも、人を対等な個人として見ず、好奇心のために消費する姿勢が好まれるわけもないのだ。

そういうわけで、僕は長らく友人と言うべき相手がいなかった。
人間の友人は出来ずに、とうとう怪奇の友人が先に出来てしまったほどに。

行動には責任が伴うのは当然であるし、知るという行為もまた同様だ。