RECORD
Eno.95 黒江の記録
2_二年前の夏
ボクは大事な人を二人失った
一人目は十年前、怪奇に殺された
二人目は二年前――――

ボクには仲の良い友達がいた
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静空は魔術を扱う神秘使いだった
なんでそんな事知ってるかって? ばったり裏世界で会って仲良くなったから
後から彼女は同じ学校の女子クラスにいる事を知って、学校でも話す事が増えていた
信じがたい話だが、こいつは裏世界経由でここへ来た「異世界人」らしい
静空の世界では神秘が秘匿されずに科学と共存しているらしく、科学と魔力の融合した術を「魔術」と呼んでいたりしていた
あちらの世界で静空はエリートだったみたいだが、家族がもっと優秀だったとかで拗ねて家を出たそうだ
ボクも九年くらいは■と比べられてたから親近感のようなものが芽生えていた

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静空はくすりと笑い、そうして次の休日は海へ行く事が決まった

横断歩道の待ち時間、車の往来を見ていたら見覚えのある黒い女がいた気がした
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その時は気のせいだと思った。思いたかった
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二人で歩道を渡った時、背後からあの声が聞こえた
『最近会いに来ないと思ったら、お友達が出来たんですね』
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振り向いたらそこには口を塞がれもがく静空がいた
人通りの少ない通りだった。コンクリートの下は裏と繋がっていた
助けようとした頃には完全に沈み込んでて
『あなただけ幸せになるのは許せないもの』
そう嘲笑う怪奇の声と
地面と混ざり、中途半端に残った紫の髪飾りがあった
一人目は十年前、怪奇に殺された
二人目は二年前――――

「黒江くん、見て! 私もスマホ買ったの。連絡先教えてくれる?」
ボクには仲の良い友達がいた
「そういやそういう約束だったね。いいよ、静空ちゃんのコード見せて」

「へぇ、そうやって交換できるんだ。すごいな~」
静空は魔術を扱う神秘使いだった
なんでそんな事知ってるかって? ばったり裏世界で会って仲良くなったから
後から彼女は同じ学校の女子クラスにいる事を知って、学校でも話す事が増えていた
信じがたい話だが、こいつは裏世界経由でここへ来た「異世界人」らしい
静空の世界では神秘が秘匿されずに科学と共存しているらしく、科学と魔力の融合した術を「魔術」と呼んでいたりしていた
あちらの世界で静空はエリートだったみたいだが、家族がもっと優秀だったとかで拗ねて家を出たそうだ
ボクも九年くらいは■と比べられてたから親近感のようなものが芽生えていた

「……こっちの世界の海って人が遊べるんだ」
「そりゃそうでしょ。静空ちゃんの故郷は遊べなかったの?」

「うん。怪奇がうじゃうじゃいるし、
季節の変わり目にはでっかいイカの怪奇が大暴れするから……」
「とんでもねぇ海だね。じゃあ、今度一緒に海見に行かない?」

「なにそれ。デートみたい」
静空はくすりと笑い、そうして次の休日は海へ行く事が決まった

「楽しみだなぁ、海!」
横断歩道の待ち時間、車の往来を見ていたら見覚えのある黒い女がいた気がした
「……?」

「黒江くん、どうしたの?」
「いや、なんでもない……」
その時は気のせいだと思った。思いたかった
「青になったよ。行こう」

「やった! もうすぐ海だ~」
二人で歩道を渡った時、背後からあの声が聞こえた
『最近会いに来ないと思ったら、お友達が出来たんですね』
「え、」
振り向いたらそこには口を塞がれもがく静空がいた
人通りの少ない通りだった。コンクリートの下は裏と繋がっていた
助けようとした頃には完全に沈み込んでて
『あなただけ幸せになるのは許せないもの』
そう嘲笑う怪奇の声と
地面と混ざり、中途半端に残った紫の髪飾りがあった