RECORD
Eno.233 綾羽 衣織の記録
前回 「神秘(2)」 https://wdrb.work/otherside/record.php?id=3327
「彼女が訪れた各地への影響ですが
金銭に関係する部分を重点的に洗い直した所。
問題とするほど大きな差は見られませんでした」
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「そうか。神秘を行使した際に与える恩恵であれば
我々が取引に制限を設ければ緩和できる。
『十日戎』の大漁、航海安全、商売繫盛を把握出来た功績は大きい」
「神秘の内容が明確になった事で
強力なモノへと変化する可能性も少なくなりましたからね」
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「現時点では、航海安全を利用した商売繫盛の恩恵を他者へと与える神秘だが、
大漁の部分への変化はまだあるかもしれない。例えばそうだな……
漁を行う者への加護。もしくは鯨のような役割を果たす。その辺りだろう」
「鯨ですか?」
「大量の魚を食すことから、エサとなる魚群が近くにいる可能性が高い。
吉兆を知らせる生き物だと考えられていたが、メカニズムとは得てしてそういうモノだよ」
「それも解明、ですね。科学的根拠や理由さえ分かってしまえば
彼女の神秘を抑制出来るのと同じように」
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神秘名 『十日戎』
恵比寿天を祀る祭事の名称。
そこに疑問を抱かなかった時点で答えには辿り着かない。
――何故、ただの訛りが大きな神秘への捧げものとなったか。
神秘名 『等価恵比寿』
それは紛れる為である。
其の神秘は恵比寿天と同種類の恩恵を与えるもの。
さぁ、人神への条件を。
北摩アザーサイド怪奇譚エピソード0期間中の綾羽 衣織への神秘解明は打ち切られました。
神秘(3)
前回 「神秘(2)」 https://wdrb.work/otherside/record.php?id=3327
「彼女が訪れた各地への影響ですが
金銭に関係する部分を重点的に洗い直した所。
問題とするほど大きな差は見られませんでした」
神の影響を受けた神秘が大きなモノとならぬよう
解明を進めていた神秘管理局員たちはホッと胸を撫で下ろす。
数字として見れば、僅かに上昇していると言えなくもないという程度。
表世界での影響力は微々たるものであったからだ。
「そうか。神秘を行使した際に与える恩恵であれば
我々が取引に制限を設ければ緩和できる。
『十日戎』の大漁、航海安全、商売繫盛を把握出来た功績は大きい」
「神秘の内容が明確になった事で
強力なモノへと変化する可能性も少なくなりましたからね」
神秘管理局員たちの機嫌もいい。能力の完全解明という訳ではないが
周囲に恩恵を与える神秘であると、解明出来たことで脅威度も幾分か下がる。
不明な部分を残したまま、もしくは誤ったモノとして認識していた場合
神秘が更なる力を得る可能性は高くなるが、未然にそれを防ぐことが出来たのだ。
「現時点では、航海安全を利用した商売繫盛の恩恵を他者へと与える神秘だが、
大漁の部分への変化はまだあるかもしれない。例えばそうだな……
漁を行う者への加護。もしくは鯨のような役割を果たす。その辺りだろう」
「鯨ですか?」
「大量の魚を食すことから、エサとなる魚群が近くにいる可能性が高い。
吉兆を知らせる生き物だと考えられていたが、メカニズムとは得てしてそういうモノだよ」
「それも解明、ですね。科学的根拠や理由さえ分かってしまえば
彼女の神秘を抑制出来るのと同じように」
神秘の解明による抑制。
追い求めていた結果に局員たちは達成感を得る。
――こうして、神秘を用いた。神との知恵比べは人類の勝利で幕を下ろしたのであった。
――否。
未だ解明に非ず。
神秘の行使で周囲へ恩恵を与え、副産物として非行使時に微量の恩恵を周囲に撒く。
――是。其の御業は大漁、航海安全、商売繫盛の恩恵を周囲に与える。
故に辿り着くことは無い。
人がひとつの問題に直面した際、考えることをやめる瞬間は、いつ何時であるか。
――答えに辿り着いたと認識した際。人は止まる。
解明を止める。そこが終着だと思い込む。
其の御業は大漁、航海安全、商売繫盛の恩恵を周囲に与えるが、本質はそこに非ず。
神との知恵比べは未だ継続中だったのだ。
――だが、止まった。解明を、解析を、探求を、考察を。
途中であったにも関わらず、それを正解だと認識した。
ならば、神の御業は止まらない。
神の秘は秘のまま。神秘は未だに神秘。抑制失敗。
神秘名 『十日戎』
恵比寿天を祀る祭事の名称。
そこに疑問を抱かなかった時点で答えには辿り着かない。
――何故、ただの訛りが大きな神秘への捧げものとなったか。
神秘名 『等価恵比寿』
それは紛れる為である。
其の神秘は恵比寿天と同種類の恩恵を与えるもの。
さぁ、人神への条件を。
北摩アザーサイド怪奇譚エピソード0期間中の綾羽 衣織への神秘解明は打ち切られました。