RECORD
Eno.51 相馬 鼎の記録



「明日世界が滅ぶとしたら、何をする?」
ありふれた話題、ありふれた問い。
それが意味を持つことなど、ないほうがよくて。
俺はなんと答えたのだったかな。
明日命を終えるとて、急に、
急に普段と違うことをしようなんて思えるだろうか。
好きなものを食べる、とか。
いつか告白しようと思っていたあの子に想いを伝える、とか。
もしくは悪いことをしてみる? だとか。
日常の延長線。
悪いことなんてべつにしたくないし、思ったことは伝えるし、好きなものはいつ食べたっていいんだ。
いつも通りに過ごすことが適解でありたい。
日常が正解でいたい。
突然の不幸だって、不慮の事故だって。
* * *
俺の人生は平坦だ。
躓く可能性のある石は除けられて、凹凸は均されて、綺麗に舗装された道。
を
俺は。
走って、走って、走って、
走って、
なんで走っているんだっけ。





俺は、神秘の向こう側には行かない。
終活Ⅱ

「ここで問題です」

「人は、なんのために生き、」

「そして、死にゆくのでしょうか?」
「明日世界が滅ぶとしたら、何をする?」
ありふれた話題、ありふれた問い。
それが意味を持つことなど、ないほうがよくて。
俺はなんと答えたのだったかな。
明日命を終えるとて、急に、
急に普段と違うことをしようなんて思えるだろうか。
好きなものを食べる、とか。
いつか告白しようと思っていたあの子に想いを伝える、とか。
もしくは悪いことをしてみる? だとか。
日常の延長線。
悪いことなんてべつにしたくないし、思ったことは伝えるし、好きなものはいつ食べたっていいんだ。
いつも通りに過ごすことが適解でありたい。
日常が正解でいたい。
突然の不幸だって、不慮の事故だって。
* * *
俺の人生は平坦だ。
躓く可能性のある石は除けられて、凹凸は均されて、綺麗に舗装された道。
を
俺は。
走って、走って、走って、
走って、
なんで走っているんだっけ。

「走るのをやめたら、どうなる」

「追いつかれたら」

「走って、走って、残った時間に意味を与えないとならない」

「みておけ」

「俺はきみとは違う」
俺は、神秘の向こう側には行かない。