RECORD
Eno.494 御機嫌盗りのトージャクの記録

息つく暇もないくらい楽しげな友人たちの声を背に、
花火を映した水面の前に立つ。
誰にも見えないように書き付けた小舟を水につけると、
手袋にじわりと水がせり上がってくるのを感じる。

ゆるりと水面を漕ぎ出した舟には、
小さな文字でこう書かれていた。
『忘れないで欲しい』
河原様への願い事・忘れたい事

*ドンッ……ザァ……*
息つく暇もないくらい楽しげな友人たちの声を背に、
花火を映した水面の前に立つ。
誰にも見えないように書き付けた小舟を水につけると、
手袋にじわりと水がせり上がってくるのを感じる。

「さぁ、お行き」
ゆるりと水面を漕ぎ出した舟には、
小さな文字でこう書かれていた。
『忘れないで欲しい』