RECORD

Eno.425 露草 サラの記録

Introduction

腰まである金糸のような髪を揺らめかせ、夕日が照らす道を歩く。
大学帰りの、いつもと変わらぬ愛すべき普通の日常。

……けれど、その裏にある非日常を私は知ってしまっている。

あの時もこんな夕暮れ時だったな、と思いながら左腕に掛けた日傘の存在を確かめるように右の手でぎゅっと握った。


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…………そう、あれは半年ほど前のこと。
初めての定期試験を乗り越え、疲れた顔をしながら夕暮れの帰路を歩んで、いつも通りの角を曲がったその時のこと。

「……あれ?」
見慣れない標識が目の端に映り、つい足を止めた。
曲がる場所を間違えたかな、と顔を上げる。
──足を止めてしまえば、顔を上げて周りを確認してしまえば、標識以外にも不自然な光景に気づいてしまう。

煌々と燃ゆる夕日。書割の様な家々。何が書いてあるか読めない標識。
曲がる場所を1つ間違えただけでは済まされない光景がそこにはあった。

本能が警鐘を鳴らす。
このまま此処に居ては行けないと、行くあでも駆け出した。
息を切らせながら走る。
風が吹いていないのにも関わらず、ざわめく木の葉の擦れる音。
壊れたスピーカーから漏れ聞こえる、私を呼ぶ声。

──気づけば道の行き止まり。
息を整え、意を決して振り向いた途端──閃く赤い電撃。

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そこまで思い返したあたりで、SMSの受信音がして我に返る。
急に人が足りなくなったからシフトに入れないかというバイト先からの連絡。
了承の旨の返事をし、徒歩十数分ほどのバイト先に向かうのだった。