RECORD

Eno.143 八坂 金寿の記録

呪いか、罰に違いない

 


それは、自身以外のものに触れる時に現れる。

今なおずっと、消えない違和感。
自分のようで、自分ではない感覚。
両の掌にある、微妙な心地悪さ。
常に存在する、外界とのズレ。





婆ちゃんは、きっと神様が宿ったのだと言った。

神憑り。
今でこそ神秘と定義される不思議な力をそう呼んだ。





10年近くに渡る"調整"で。
ほとんど完璧に制御できるようにはなったけれど。

緊張、興奮、動揺……
感情が大きく揺れ動くと、どうにも勝手に力が籠る。
まるで、自分ではない何かに動かされるように。

こればかりは、さすがに
完全に制御下に置くのは難しいもんだ。







だからきっと、これからもずっと。
大切なものに、触れることはない。