RECORD
Eno.232 月影誠の記録
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気が付くと教室には自分だけだった。
一人、空間に取り残されたときの安心感は誰かといるときとは比べ物にならない。
誰も襲わなくていい。
誰からも狙われなくていい。
生き物の気配がなければ獲物の品定めもしない。
孤独はどうしようもない生き辛さから解放してくれる!
そうして、実感するんだ。
表世界には相容れない人間なんだと。
一人で自然保護区にホタルを見に行って。
蛍火がふわりふわりと飛んでいるのを見て。
あれを潰して、弱々しく光る様はきっと美しいのだろうな、なんて。
考えたくないものを、考えて。
それを否定せずに受け入れて。
世界に否定されるって、こんな気持ちなんだろうなぁ、とは流石に妄想か。
裏世界にいれば、理性が鳴りを潜めて本能が俺を満たす。
心地よくて、高揚して、しがらみから解放されて。
相棒と共に世界を歩いて、怪異を殺して。
君とならどんな場所でも綺麗で美しい。

だったらこんな煩わしさも、二重否定も、何もかもなくなるというのに。
俺が囚われているのは、表か裏か。
一人、空間に取り残されたときの安心感は誰かといるときとは比べ物にならない。
誰も襲わなくていい。
誰からも狙われなくていい。
生き物の気配がなければ獲物の品定めもしない。
孤独はどうしようもない生き辛さから解放してくれる!
そうして、実感するんだ。
表世界には相容れない人間なんだと。
一人で自然保護区にホタルを見に行って。
蛍火がふわりふわりと飛んでいるのを見て。
あれを潰して、弱々しく光る様はきっと美しいのだろうな、なんて。
考えたくないものを、考えて。
それを否定せずに受け入れて。
世界に否定されるって、こんな気持ちなんだろうなぁ、とは流石に妄想か。
裏世界にいれば、理性が鳴りを潜めて本能が俺を満たす。
心地よくて、高揚して、しがらみから解放されて。
相棒と共に世界を歩いて、怪異を殺して。
君とならどんな場所でも綺麗で美しい。

「―― 怪異に生まれていればよかったのになぁ」
だったらこんな煩わしさも、二重否定も、何もかもなくなるというのに。
俺が囚われているのは、表か裏か。