RECORD

Eno.283 眞奈部 周の記録

対策課・眞奈部 周(3)

【氏名】眞奈部マナベ アマネ
【性別】女
【出身地】宮城県■■市■■■町 /【家族構成】祖父母、両親、■■■■※
※■■■■という名前の人物は戸籍謄本に存在せず、両親も■■■■という名前の家族に覚えはないとのこと
(※本情報は20■■年■月■日において発生した災害直後、現地民間人に扮した管理局所属の人間が被災直後の眞奈部両親へ声をかけた際に得られた不確かな情報であることに留意してください)
【所属学連】束都グループ/束都中高・高等部一年生
【年齢】16
【身長】152cm
【体重】51kg
【血液型】AB
【生年月日】20■■/4/4 【星座】牡羊座
【所属部署】神秘管理局・対策課(第■■■期生・第■■番神秘鎮圧部隊【北星】※)
※第■■神秘鎮圧部隊は、『二年前』、所属する部隊員のうち、眞奈部士官を除く過半数が『MIA任務中行方不明』により解体されていることに留意
【保有神秘】『化物ケモノき(仮)』
『動物霊との交感に適性があり、降霊儀式術に長ける。憑依させた霊の種類によって身体能力が向上する。』
※注意事項:自己申告・観測からの推測による分析

補遺1:

■月■日、第■■番神秘鎮圧部隊【北星】はアザーサイド北部・『月見台』に発生した、
『無機物宝物型認識改変神秘【品物之比礼くさぐさのもののひれ】の封じ込め任務に従事。
作戦中、副隊長である■■士官が神秘の改変に曝露したためにこれを隊長の■■が終了した。
この際、終了された■■士官の遺体に眞奈部士官が接触した際、
■■士官が使用する事の出来た解析異能型神秘の情報を獲得、これを共有した。
作戦終了後、眞奈部士官は二ヵ月間の精神療養期間を経たのちの面談では
『記憶にない』『あの日の作戦のことを思い出せない』といった旨の発言をした。
→眞奈部士官は当時、『化物憑き』による憑依霊が『狐の霊』であった事を供述、
交渉材料は『墓場の手入れ』、後日に訪れた墓場は■■市の■■神社の境内だった。

【CENSORED】警告:本資料の閲覧は秘匿事項として眞奈部士官への開示・閲覧を禁止しています。

補遺2:
■月■日、第■■番神秘鎮圧部隊【北星】はアザーサイド東部・『北摩川』に起こった魚群型怪異『■■』の鎮圧任務に従事。
眞奈部士官は任務中、『化物憑き』行使時間が任務開始から約120分の経過後に身体の異常を報告。
この際身に着けていたデバイスからの信号により、血中酸素濃度の著しい低下と肺機能の低下、
首から胸元に掛けての鱗状の発疹の発生、眼球の変色などの症状が見られた為、
■■士官を伴って戦線を離脱した。
→■■士官は眞奈部士官との作戦区画離脱中に追跡を行う怪異と交戦、
対策課の現地回収班に眞奈部士官を預けた後、交戦中の怪異の攻撃により共に河川の水底に沈没。遺体は未だ回収されていない
→眞奈部士官は当時、『化物憑き』による憑依動物霊が『魚の動物霊』であった事を供述、
交渉材料は『河川の掃除』、後日に履行の為向かった河川は、
アザーサイドに於ける■■村の■■■■■■と呼称されるエリアだった為に遊撃任務として
複数名の対策課職員を同伴して完了した。

【CENSORED】警告:本資料の閲覧は神秘管理局■■課■■以上の権限を持つ人間以外のアクセスを規制しています。


補遺3:
■月■日、第■■番神秘鎮圧部隊【北星】はアザーサイド■部『■■■■』に■■した
■■■■■に従事。■■■士官は■■■、■■の■■を■■■■。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。
→作戦は失敗し、封じ込めの為に対策課所属の封じ込め部隊が派遣された。
任務完了後、現地で意識不明の眞奈部士官を回収、衛生課にて治療を行い、
作戦完了から■■日後に意識を取り戻した。
覚醒後は激しい錯乱状態であった為に鎮静剤を投与、
一週間後に再度覚醒した際にはカウンセラー同伴の元、
任務内容の聞き取りを行い、第■■番神秘鎮圧部隊【北星】の隊長、
北隼きたばや しずかを含む部隊隊員全員のMIA任務中行方不明が確定、部隊を解体された。
→本任務の事後報告完遂を以て、眞奈部士官は特別民間特務員"ヴァポレット"として
アザーサイド西部に於ける小規模怪異発生対応人員に再区分された。

【CENSORED】警告:本資料の閲覧は神秘率の過上昇を伴う危険行為となる為、直ちに閲覧を中止してください。



補遺4:
第■■番神秘鎮圧部隊【北星】に専属していた衛生課医『環上かんじょう夜十羅よそら』より、
■月■日のカウンセリング後に残されたボイスメッセージ。

『――眞奈部さんは……その、余りにも特異な神秘形態を持っています。
それは私たちが認識しているような"霊媒体質"であるとか、
或いは"巫女"による"神卸し"であるとか、そのような物とは違うもの……。

言うなれば、あの力は「自分自身に霊魂を卸して力を得る」のではなく、
「自分自身の躰という器を、他の霊魂へと貸し与え、順化・変容する力」……。

■■に於ける任務遂行中の変容とは即ち、
「宿らせた霊魂によって身体が順化・変容してしまった」ものなのです。
あれが長く続いていれば、眞奈部さんは恐らく、
その動物霊の……そう、魚なら呼吸、血液変化、身体的な特徴である部位を獲得するだけにとどまらず、
最終的にはその魚の動物霊の新たな肉体となって、本来の眞奈部さんの魂と呼べるものは押し出されて、消えてしまっていたかもしれません。

何より、眞奈部さんは魂の形に、身体が変化してしまう程、
魂と言うものの存在に対して繊細で過敏な"器"を持っている。
それは正に、神さえも躰が再現を出来てしまうような、「天性の器」であるとも呼べます。
なので……本来であれば、今のように作戦中に動物霊という全く生態の異なる存在、
その力を身体に宿らせてその力を借りるという使い方は余りにも危険なはずですが、
二時間というとても長い時間の憑依状態で漸く影響を起こし始めるというのは、
その"器"の特性からしても、余りにも猶予が長かったように思えます。

まるで、『既にその身体を会得した"何者か"が、身体を人間として保持するように働きかけている』。
……いいえ、それでは、まるで……■■■町での……。

[沈黙時間:2分35秒 この間、ヨソラ医師は医務室の書類資料を参照していた。]

……彼女の"神秘の器"は余りにも、"アザーサイド"という、神秘と霊魂に満ちた世界に対して、貧弱で無力です。
どうか、どうか彼女をこれ以上危うい任務へと参加することを止めてください。
あの子はもう二度と『誰か』を失わない為の供物として、神にさえその魂を捧げてしまいかねないのです

[録音終了。]

このボイスメッセージを記録して■■ヵ月後の任務に於いて、
環上かんじょう夜十羅よそら医師は現地での治療活動中に怪異に襲われ、
現在はMIA作戦中行方不明となっています。
眞奈部士官の専属カウンセラーは衛生課の■■医師に引き継がれました。
→■■医師はカウンセリング治療が不適切である旨の説明を行い、
二年後の束都中高一貫・高等部進学への準備期間を設けると共に、
眞奈部士官のこれまでの任務に於ける『化物憑き』の特性を
『特殊な霊媒体質である』ように説明、行使の教育を行うものとする。