RECORD

Eno.138 桃枝 舞十衣の記録

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 異能に目覚めてからほどなくして、ボクは裏世界へ迷い込んだ。
 神秘管理局の人に発見され、裏世界の存在や神秘に関する事情を説明されたのは、言うまでもない。

 この一連の出来事に関しては、驚いたり困惑したりすることはなかった。
 それ以上に、どこか腑に落ちた感覚を覚えた。

 幼い頃に出会った”天使様”、それを思い出したことによって発現した異能……これらは全て、”怪奇”や”神秘”といった言葉で説明されることなんだと。その日、ようやく理解できたのだ。


 機関への所属は、一旦保留という形をとった。
 当時は3月。エスカレーター式の学校とはいえ、進学となるとバタバタしてしまう。
 怪奇だとか神秘だとか、非日常的なものと関わるのは、普段の生活が落ち着いてからにしよう。そう思っての判断だった。


 そして5月。GWが明けて、高等部での学校生活もそれなりに慣れてきた頃に、ようやく神秘管理局の所属を決めた。


 怪奇や神秘を通じて何をしたいかとか、まだあまり考えていないボクだけど。
 そんな中でボクの怪奇譚は、これからどのように紡がれていくんだろう……なんて、思っちゃったり。