RECORD

Eno.367 日上 晴の記録

記憶

結局、いなくなった1人を見つけられることなく、俺たちは戻っていった。

雨が降り続けていて、昼か夜かもわからない。
…天気予報、雨が続くとは言っていたか覚えていない。

出来れば早く見つけたらいいね、
○○くん、風邪引いちゃう。

って部長が言っていたのは覚えている。
この人は他人を気にかけてくれる優しい人だなって思ったことも覚えている。

こんな状況で頼りになるのはその人しかいなかった。
変なことに時計はないし、携帯は充電切れ。
おまけに、ここの村の人たちがあまりにもいなかったので、本当に頼れるのは部長しかいなかった。
…この時、村人がいないのが不自然だな、とは思ってはいたけど。
でも、いなくなった部員が心配だったことが大きかったので、もっと気にするべきことを見落としてしまったと後悔した。

やっぱり、彼女の忠告を聞いて説得すればよかった。

そんな後悔もして、次に目覚めた時にまた1人いなくなったことに気づく前に。