RECORD

Eno.636 二三木 多々狸の記録

踏切少女とSNS

いつしかSURFがあたしの世界になっていた。そこに紛れ込む"誰か"があたしになっていた
怪奇というのは変容するのか、流行りに乗るあたしの『女の子』ってヤツが敏感なのか
それを始めるのも続けるのも苦にはならなかった。長年在って鍛えたコミュ力、自信ある方だし

人間の記憶というのは結構いい加減なもので、仲がいいと思ってても5年も連絡が無ければ疎遠になる
数少なった踏切の道で、毎日下校を共にしたあの人は、すれ違ったあたしの事に気付いてすらいない、ってのもぼちぼち

暗い部屋の中で寝ころびながら明るい画面をのぞき込み、数えるのも億劫なニックネームの羅列をスワイプ
もう連絡を取らなくなったあの子を友達欄から消去する。イベントおつかれさまムードなグループを退去する

得たものを手放して、"誰か"の痕跡を消去し続ける。思い出に残って、意識させることが無いように
そして、あたしがいつまでもどこまでも、"誰か"として歩き続けられるように


未読1
指先で返す。『次はどこ行こっか?』

教えて。あたしはどこなら居ていいの?