RECORD

Eno.280 黒羽 蒼葉の記録

【黄昏 002】


何処かの荒野。
此処は、北摩でも裏北摩でもない。
一人のスーツ姿の女性が、何かの機械を操作している。

「…ダメね。完全に痕跡を切り離している。
 異世界で二年もの間、追跡を逃れるなんて
 並外れてるとしか言い様がない」

「でも、今まで集めた【情報】を繋ぎ合わせれば…
 もう、あと少しで私の【目】も捉えられる筈」

「手こずらせてくれたわね、【簒奪者(ユザーヴァー)】。
 でも、貴女の暗躍もここまでよ」

機械を仕舞い、女性は腕に装着された端末を
口許に近づけた。

「【大佐】。
 【簒奪者】の位置捕捉まであと少しです。
 …漸く」

「【オトノクニ】の再建に一手をつけられるでしょう」