RECORD

Eno.175 水元イチノの記録

罪と罰

 失って苦しかったはずなのに、忘れた。
 悲しくて叫んだはずなのに、忘れた。
 涙と共に机に叩きつけたはずなのに、その日記を読んでももうなにも思い出せない。

 どれだけ受け入れ難い出来事も、時間は忘却という形で奪い去っていく。
 経験は罪かい、それなら忘却は罰かい。
 それでも忘れたことは忘れられないんだ。