RECORD
Eno.468 月澪 銀の記録
私にとってのアザーサイドへ
「表」には前から行ってみたかった。
だから、この話が舞い込んだ時は一も二もなく飛びついた。
黄昏に彩られたここと違う時間が流れるその場所に。
秩序だって建てられた建物、整然とした人々の営み。
母の出身地だから、というわけではなく無性に憧れたのだった。
幸い、私の姿は人間そのもの、というよりは人間だ。
ただ少し「中」にあるものが少し、普通の人とは異なる、というだけ。
揺らぎの調査員として派遣されるには、まあ丁度いいといったところだ。
「というわけで、行ってくるね、お母さんの住んでたとこ」
祭壇に飾る母の写真に一言告げて家を出る。
母が死んだのはもう大分昔のことだ。長生きしたほうだと思う。
「裏」での生活には苦労は多かったろうな、と今ならわかる。どんな気持ちで生きていたのかは、わからないけれど。私が産まれたことで多少心境に変化があったならいいのだが。
ーーー
ガイドの猫又からデバイスを受け取ると、左手に着ける。
私の身分は「束都京帝大学短期大学部」の学生ということになるそうだ。
空が青い。見たことがない色だ。太陽が照り付け、肌に刺さるようだ。
それだけで、無性に心が躍ったのだ。
だから、この話が舞い込んだ時は一も二もなく飛びついた。
黄昏に彩られたここと違う時間が流れるその場所に。
秩序だって建てられた建物、整然とした人々の営み。
母の出身地だから、というわけではなく無性に憧れたのだった。
幸い、私の姿は人間そのもの、というよりは人間だ。
ただ少し「中」にあるものが少し、普通の人とは異なる、というだけ。
揺らぎの調査員として派遣されるには、まあ丁度いいといったところだ。
「というわけで、行ってくるね、お母さんの住んでたとこ」
祭壇に飾る母の写真に一言告げて家を出る。
母が死んだのはもう大分昔のことだ。長生きしたほうだと思う。
「裏」での生活には苦労は多かったろうな、と今ならわかる。どんな気持ちで生きていたのかは、わからないけれど。私が産まれたことで多少心境に変化があったならいいのだが。
ーーー
ガイドの猫又からデバイスを受け取ると、左手に着ける。
私の身分は「束都京帝大学短期大学部」の学生ということになるそうだ。
空が青い。見たことがない色だ。太陽が照り付け、肌に刺さるようだ。
それだけで、無性に心が躍ったのだ。