RECORD
Eno.181 美馬山くくりの記録
幼年期のお話し-1
特定の方法でないと退けることのできない、敵対怪奇。
裏世界といっても、どこにもそういうのがうろついている訳ではないらしい。
例えば、このレースコースなんかもそうだ。
レースを続ける様々な馬の怪奇は、遠目に見ているだけなら無害なもの。
もしかしたら蹄鉄の音が退けているのかもしれない。
馬に混じって走っていたあたしの愛車……否、それに『取り憑いた』怪奇が戻ってくる。
機械の隙間に詰まった、子どもの落書きのような、赤黒いぐにゃぐにゃした存在。








そう言い、怪奇は長い長い昔話を始める。
あたしがまだ子どもの頃、もう全然覚えてない頃からの話だ。
裏世界といっても、どこにもそういうのがうろついている訳ではないらしい。
例えば、このレースコースなんかもそうだ。
レースを続ける様々な馬の怪奇は、遠目に見ているだけなら無害なもの。
もしかしたら蹄鉄の音が退けているのかもしれない。
馬に混じって走っていたあたしの愛車……否、それに『取り憑いた』怪奇が戻ってくる。
機械の隙間に詰まった、子どもの落書きのような、赤黒いぐにゃぐにゃした存在。

『久しぶりに駆ける楽しさを感じられたよ』

「そりゃまあ良かったけど」

「……んで、結局あなたはどういうアレなん?
あの日どうしてあたしを乗せて逃げたのとか、
今この北摩で何が起きてるかとか」

『この地で何が起きているか、という事はおれは知らん。
専門の機関に情報を貰っていただろう、其れを待て』

『だが、おれに関しては答えることができる。
古くからおまえの一族とゆかりがあり、見守る存在だから……
と言って、果たして納得してもらえるだろうか』

「……ふーむ。ありふれた表現をするなら、守護霊的な?
……いや、でもさ……」

「悪霊側の見た目すぎ」

『それにも理由がいろいろと……』
そう言い、怪奇は長い長い昔話を始める。
あたしがまだ子どもの頃、もう全然覚えてない頃からの話だ。