RECORD
Eno.251 鳴宮優希の記録
ちょっと、色々あった。
僕のメタフィジカが進化して、
旭先輩と訓練をしたこととか。
僕には冷気の力があるらしい。
棗が傷付いて半エンダー化して、
みんなで殴って止めに行ったこととか。
棗は良い方向に変わったと思う。
良かったな……。
そして。最近。
特務心装部で、百華が何かを見て飛び出した。
追い掛けていったらつかさがいて、
つかさを酷い目に遭わせてる奴がいて。
つかさは、僕の大切な友達だ。
その場にいる人たちと、つかさを取り戻す為に戦って。
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傷を負ったところに、声がした。
お母さまの声で、囁かれた。
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消えない恐怖が僕を苛んで。
友達を助けに行くどころじゃ、なくなってしまったんだ。
◇
どうやら気を失っていたらしい。
目覚めた直後の僕は錯乱していた。
お母さまの声が『罰を』なんて言ったから、
裁ち鋏見つめて、自分を傷付けなきゃ、なんて。
安全な空間にいることが怖かった。
悪い子の僕は、不安の中にいることが当然であるべきなのに。
自傷すれば、ちょっと楽になれると思ってた。
自傷すれば、ここに居ても良いんだって。


よく知るひとの、声がした。
和泉先輩のお陰で、僕は現実に引き戻されて。
現状把握。つかさが見つかったらしい。
奏翔がいなくなった。
特務心装部のみんなを信じる。
傷を負った僕は、動けないから。
先輩たちの力強さに励まされた。
心の中の不安は完全には消えなかったけれど、
かなり、楽になったんだ。
信じてる、から。
やがて奏翔が運び込まれて簀巻きになったけれど。
疲れ切っていた僕に、反応は出来なかった。
◇
きみに おいていかれる ゆめを みた。
翌日。目覚めて、許可もらって奏翔の簀巻きを解いて。
対面。さぁ、きみと話し合おう。
だけどきみは、僕から目を逸らすばかり。
僕の言葉に応えてくれない。いつものきみじゃない。
踏み込んで、理由を聞いた。
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だから、言ってやった。
大切なこと、気付かせてあげる。
わたしの月は、きみしかいない。
きみがきみだからこそ、わたしは好きになったし。
きみが救ってくれたからこそ、今、ここに居られるのに。
もしもきみが迷うなら、わたしがその道を照らすから。
わたしがきみの一等星になるから。
だから。だから。
もう、そんなこと いわないで。
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泣きながら必死に伝えた。橘先輩も色々と言ってくれた。
そしたらやっと分かってくれたみたいで。
思いっきりぎゅーして、すれ違いはおしまいっ!
宮瀬先輩のお説教タイム。妥当。
話の流れで、今後、奏翔の訓練には僕が付き合うことになった。
ひとりで行かないで。一緒にがんばろ。
守られるだけのか弱いお姫様に、しないで。
確かに、わたしは弱々しく見えるんだろうけどさ。
わたしにもちゃんと、頼って欲しいんだ。
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やがて話し合いは終わり。
眠くなった僕に、奏翔は寄り添ってくれた。
精神攻撃受けて不安なんだよって話したら、
しばらく一緒に寝てくれることになった。
やったぁ。
奏翔の隣はやっぱり、一番落ち着く場所。
奏翔が大好き。大切な大切な、僕の月。
隣にきみがいた。きみの腕に抱きしめられた。
きみの温もりを感じて。きみにしがみついて。
訪れた深い疲労の底に、わたしは沈み込んでいったのだ。
【13.もしもきみが迷うなら】
ちょっと、色々あった。
僕のメタフィジカが進化して、
旭先輩と訓練をしたこととか。
僕には冷気の力があるらしい。
棗が傷付いて半エンダー化して、
みんなで殴って止めに行ったこととか。
棗は良い方向に変わったと思う。
良かったな……。
そして。最近。
特務心装部で、百華が何かを見て飛び出した。
追い掛けていったらつかさがいて、
つかさを酷い目に遭わせてる奴がいて。
つかさは、僕の大切な友達だ。
その場にいる人たちと、つかさを取り戻す為に戦って。
──だけど、無理だったね。
傷を負ったところに、声がした。
お母さまの声で、囁かれた。
『──逃げていいなんて、誰が教えたのかしら?』
『──悪い子には、罰を』

「…………おかあ、さ、ま」
消えない恐怖が僕を苛んで。
友達を助けに行くどころじゃ、なくなってしまったんだ。
◇
どうやら気を失っていたらしい。
目覚めた直後の僕は錯乱していた。
お母さまの声が『罰を』なんて言ったから、
裁ち鋏見つめて、自分を傷付けなきゃ、なんて。
安全な空間にいることが怖かった。
悪い子の僕は、不安の中にいることが当然であるべきなのに。
自傷すれば、ちょっと楽になれると思ってた。
自傷すれば、ここに居ても良いんだって。

「……おかあさまは、どこ」

『優希……ッ!
よく見ろ……ッ!』
よく知るひとの、声がした。
和泉先輩のお陰で、僕は現実に引き戻されて。
現状把握。つかさが見つかったらしい。
奏翔がいなくなった。
特務心装部のみんなを信じる。
傷を負った僕は、動けないから。
先輩たちの力強さに励まされた。
心の中の不安は完全には消えなかったけれど、
かなり、楽になったんだ。
信じてる、から。
やがて奏翔が運び込まれて簀巻きになったけれど。
疲れ切っていた僕に、反応は出来なかった。
◇
きみに おいていかれる ゆめを みた。
翌日。目覚めて、許可もらって奏翔の簀巻きを解いて。
対面。さぁ、きみと話し合おう。
だけどきみは、僕から目を逸らすばかり。
僕の言葉に応えてくれない。いつものきみじゃない。
踏み込んで、理由を聞いた。
──自分に価値がないだって? 笑わせないでよ。
──離さないって、言ったくせに。

「きみのお陰でわたしは救われた!
そしてわたしは、
きみが隣に居てくれなきゃ、幸せになれないの!」
だから、言ってやった。
大切なこと、気付かせてあげる。
わたしの月は、きみしかいない。
きみがきみだからこそ、わたしは好きになったし。
きみが救ってくれたからこそ、今、ここに居られるのに。
もしもきみが迷うなら、わたしがその道を照らすから。
わたしがきみの一等星になるから。
だから。だから。
もう、そんなこと いわないで。
──きみじゃなきゃ、ダメなのに。
泣きながら必死に伝えた。橘先輩も色々と言ってくれた。
そしたらやっと分かってくれたみたいで。
思いっきりぎゅーして、すれ違いはおしまいっ!
宮瀬先輩のお説教タイム。妥当。
話の流れで、今後、奏翔の訓練には僕が付き合うことになった。
ひとりで行かないで。一緒にがんばろ。
守られるだけのか弱いお姫様に、しないで。
確かに、わたしは弱々しく見えるんだろうけどさ。
わたしにもちゃんと、頼って欲しいんだ。
──わたしもきみを、支えたいから。
やがて話し合いは終わり。
眠くなった僕に、奏翔は寄り添ってくれた。
精神攻撃受けて不安なんだよって話したら、
しばらく一緒に寝てくれることになった。
やったぁ。
奏翔の隣はやっぱり、一番落ち着く場所。
奏翔が大好き。大切な大切な、僕の月。
隣にきみがいた。きみの腕に抱きしめられた。
きみの温もりを感じて。きみにしがみついて。
訪れた深い疲労の底に、わたしは沈み込んでいったのだ。