RECORD

Eno.706 如月 静空の記録

1_出会い。それから、

 私が、この世界に入った時、初めて会ったのは大きな会社を経営してる社長の人だった

「わ、ご丁寧に名刺まで……ありがとうございます」


「なるほど。都市文明の発展した表、
 科学と共に薄れたはずの『神秘』が生きる裏……」


「まぁ、そうでしょうね。異なる世界はここと理が違う。
 しかし、それと同時に新たな『神秘』のヒントが得られるかもしれない……」


 名刺を見る。どうやら、悪い人では無さそう……?

「……わかりました。一人よりかは幾分かマシでしょうし」


 そう言って、二人の場所へ着いて行こうとした時だった

「あっははは! ノーミス、全キルだ!!」


 どこか聞き覚えのある声が聞こえて、そっちの方角へと私は視界を向けた

 今思えば、この時点でおかしいと気付くべきだった
 だってここは、彼と出会った世界とは明らかに違っていて

 彼がいたとしても、きっと私の事なんて知らない別人なんだって

 それでも、私は、気付いたら彼の所へと向かっていた

 知っているはずだったのに
 見知った顔の人間が、知らない人間として生きている痛みも
 知る人のフリを頑張ってされる事の虚しさも