RECORD

Eno.122 大神 桔梗の記録

__記録1

___鈴の音が響く。

…シャン、…シャン、…シャン。


『____■■■■様、■■■■様。

__家族を、土地を、お守りくださりありがとうございます。』


大きな祭壇の、真ん中にある皿に、1滴ずつ、1人ずつ、血潮を垂らす。


…………ポタリと、皿に血が落ちて行く。


____これは、儀式。我が家に伝わる伝統的な感謝の儀式と呼ばれている。

毎年決まった時期に、我が家で信仰している”神様”に、感謝の意を示すために行われている。

そして、血を垂らせば、手を叩き合わせるのです。


私は大神桔梗、この家の2人目の次期当主。

姉の片割れ、2人でひとつ。
家業も、当主も、2人で継ぐ。


…母様から、ずっとそう言われて育ってきた。
私たちは術師の家系に産まれた双子。私は妹、姉は菖蒲。

我が家では神から授かった術が、先祖代々伝えられてきている。一般人からは念力だとか、超能力と呼ばれるもの。

普通の人たちには見えない、■■に抗い、勝利する為、早くて物心がつくころから伝授が始まる。大体、3歳ぐらいから。
私も、その頃からずっと教わってきて、いろんな技をかなり使いこなせるようになってきた。
でも実のところ、まだまだ成長途中。

姉様、菖蒲はもうとっくに素手でもいろんな術が使えるのに、私ときたら、道具なしでは全然ダメで。

臨機応変に対応できなければ、怪異はいつ現れるかわからない。基本は素手での印切りが基本とされている。なのに私は、お札等がなければその力を扱う事ができない。

もう6歳だというのに。…姉さまも同じ年なのに。
それが、いつも嫌だった。早く上達して、誰にも迷惑をかけないぐらいに強くなりたかった。
でも、私の力は半端だったのだ。