RECORD

Eno.340 月待 よすがの記録

無題




"……隣に立っているのは、黒い髪の女だった。
地味で、暗く、……何を考えているのか分からないのは、今も同じかもしれないが。
並んでいるのが軽い風貌の青年であるなら、その差が際立つように ただ、真面目な。"



――はやく死なないの?


鏡の中から響く声。どうやら僕にしか聞こえていないみたいだった。
そりゃあそうだろう、向こう側・・・・から呼んでいるわけじゃあなくて、ただ僕の頭にひびいてくる。
自分の事は、自分が良くしっている。
ただそのすがたを写したって、僕には分からない。
そっくりさんに三度会ったら死ぬと言うけれど、僕にはその一度目・・・すらわからない。


いつだって異常を突き付けられると、息苦しくて死にたくなる。
自分がただ普通に・・・生きていると、普通から・・・・離れていく。


違うよね。君が普通を捨てただけ。
捨てただけで、殺しきれていない・・・・・・・・よ。


その時は当たり前だろうと思った。数年以来に再会した幼馴染のなかにはの姿があるのだと思ったから。
けれど、彼は今の僕自身も僕だと言ってくれた。だから、ずっと彼のせいにしてきたことに"説明がつかなく"なってしまった。

だから僕も君のようになるべきだったんだろうなと、"後悔"した。

他者に言うべき言葉。使うことが正しい思い。
その逆を出力すれば、ただの悪意になる。
そうして反転した・・・・こちら側がきっと鏡の中なのだと思えば

一緒に正しいことをしよう


よくわかってるじゃない。大丈夫、僕がついていてあげる


ふたりなら怖くないでしょう?4年間、よくがんばったね





「――……まだ、やるべきことがあるんだ」



――すこし、驚いたような顔をした気がした。

彼のこと?しっかりしてる・・・・・・・。ちゃんと好きなんだ、嬉しいよ


あのコと違って、君の責任だもんね


…………分かってるんだ。"正しいこと"をすれば、生きてられるって



――……虚像・・であるなら、そうなるだろうな。
いつも反転させてきた悪意をまた裏返せば正しく写る、鏡のしくみ。

……わかった!待ってるね


ああでも無理しないでね。つらいでしょ?



他者に言うべき言葉。使うことが正しい思い。
そういうつかいかたをすれば、響くことを知っている・・・・・科白。
むかしから、それがよくわかった。都合がよかった。そう言えばよろこんでもらえた。
だからとうさんはあの時ぼくをすてられなかった。
正解・・するのはとくいだ。だから、

「うるさい」



――――………………。

……だめじゃないか。それは不正解


そういう時はね。"ひどいこと言わないでよ"って、曖昧に笑わなくちゃ


痛いこと、辛いこと、悲しいこと。ぜんぶ笑ってすませるの


――……やってみて?そしたらきっと、





■■てもらえるよ














さんこうになった。