RECORD
Eno.154 七未 めりいの記録
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ひつじがいっぴき・6
「…………ふう」
晴れた空。
表世界で似た場所を探したけど、
やっぱりこんなに続く向日葵畑は無い。
だから、やっぱり、記憶にある向日葵畑はここなのだ。
間違ってない、はず。
青空と日差しを求めてここまで来たけど、
やっぱり暑い。
「今日はホントにすごかったなあ……」
「裏の人たちって毎日ああいう仕事してるのかな……」
ぐい、と背伸び。
上に伸ばした手が向日葵に当たって、
クスクスとくすぐったそうな笑い声がした。
「わあ」「笑うんだ……」
向日葵を見上げる。
夏風にそよそよと揺れて、こちらを見下ろしてくる。
いくつも。いくつも。
いくつも。
「……向日葵さんたちもずっとここで咲いてるの?」
「あのね、私もずっと生きるかもしれないんだって」
「あなたたちも枯れないね?」
「わたしも……わたしもずっと生きるなら夏がいいな」
「春は寂しいし、秋も寂しいし、冬も寂しいもん」
「夏は暑いけど、」
「生きてるって感じがするよ」
「わたしが皆よりずっと生きちゃっても、
向日葵さんたちもここに居る?」




