RECORD

Eno.396 小野州 名護の記録

リスクと自己開示

 
……。
ナナノオさんとヒバリさんに少しだけ話した。神秘のこと。

おれは神秘がないわけじゃない。
変身は片道切符。神秘に寄ったらコントロールを失するかもしれない。

そして、本当に怖がっていることは話さなかった。

おれは知らないアノマリーに気を配れるほど殊勝じゃない。
でも、何度か関わった人間を気遣えないほど鈍くもない。はず。

関わった人間が『金の斧金の斧』のターゲットになったら?
あいつは誰かを攻撃することに躊躇がない。
あいにく、交流なんて一回もしたことがない。
そもそも、あいつに精神というものがあるかも不明だ。

(水面を見るとあいつの顔がたまに見える……)


(斧を持ってバトンタッチの瞬間を待ってる……)


アノマリーは、おれたちと異なる存在だ。
行動原理、倫理感、知性で分かり合えたとして、根本は違う。

それに身体を明け渡してやっつけてもらう?
帰ってこられるか分からないのに?
……あいつが障害を払う時に、知り合いを巻き込んだら?

「            」


「!!!」


ぞっとする!! 変身してバレるのも……嫌だ。
おれ自身と関わった人間に何かあるリスクなんて、避けるに越したことはない。

まだ身一つでやれる。そのために技術と肉体を鍛えてる。
……このまま、やり過ごしたいな。普通の人で、いたい。