RECORD

Eno.367 日上 晴の記録

記憶

裏世界。
表があれば裏もある。

怪奇。
人間もいればそれ以外もいる。

生贄。
俺たちが、生贄?




信じられなかった。
そんなオカルト的な幻想話は物語の世界、それこそ劇や小説上の話だろうと思ってしまった。

だけど、なんとなくそうなのかと信じ込んでしまう自分もいた。

ずっと降る雨。
突然いなくなる部員たち。
それと、俺の目の前に現れた彼女

あまりにも浮世離れした見た目ではあったから、そういう存在怪奇なのかと身構えてしまった。

だけど彼女も気づいてはいるのか、話をしている間も距離を取ってはいた。

いや、そんなことより。

生贄になるというのはどういうことだろうか。
他の人たちはどうなってしまっているのだろうか。

『…』


『私を、殺すため。』



「…殺す、ため?」

嫌な予感がする。

『殺すために、人間を生贄にしている。』



「じゃあ…他の人たちは……」

まさかもう、

『…』


『だから、あなただけでも逃げるの。』



……言葉を失った。
つまり、可能性としてはもう生贄とやらになってしまったのだろうと。
悪い夢だ。
悪い夢に違いない。


『ずっといてはいけない。だから、』





その時、俺は雨の中に飛び出していた。